四面楚歌とは紀元前3世紀の中国で、項羽の軍(楚)が劉邦(高祖)の漢軍に囲まれ、四方八方で楚の歌を唱えられると、楚の兵士は敗北したと思い惨敗する例えだが、いまの安倍政権にはこれがピッタリ当てはまる。金正恩氏は、父である正日氏が拉致を認め謝罪し、5人を日本に返したが、小泉氏(安倍氏も関わった)が日朝の国交正常化交渉を反古にしコケにした怨みは、いまだに持っているだろうと推測はできる。だから安倍氏が首相に居座る限り絶対拉致問題は解決しない。正恩氏は父が受けた汚名をいまだに忘れてはおらず、小泉氏と同じく安倍氏も拉致問題を政治利用するとみている。常々「拉致問題を取り上げさせるな。対話するな。交渉はもってのほかだ」と箝口令を敷いていると言うから、いまさら、日本政府が日朝云々といたっところで爪弾きされるのがおちだろう。加えて、いまの官邸の忖度政治が、一連の公文書改ざんと隠蔽を生み、国体の行く末が心配されている。日本は一人の歴史修正主義者が自己追究の思惑を抱いたおかげで、中国・朝鮮半島周辺諸国から信頼されない素地を築いてしまった。トランプ氏と拉致問題を優先に話し合うというが、トランプ氏は人権問題より、金正恩氏との超弩級レベルの交渉が大事とされ、結局安倍氏は平気で日本の国益を売る形となって跳ね返ってくることだけは間違いないだろう。安保とは関係の無い米国の都合でオスプレイが、日本本土でも飛び回る事に対して日本政府が無力なのは敗戦国の宿命だ。米国の公文書館ではホイットニー文書というものが機密解除になっていて、戦後の昭和天皇の考えが伺える。公文書というのは歴史書とおなじく神聖なものであるからして、役人が勝手にその行為をするとは常識では考えられない。公的文書は絶対改竄と隠蔽はしてはならいという認識が日本人にはなさ過ぎる。日本の歴史を管理するシステムがいままさに崩壊しているように見える。日本の情報公開の自由度が世界では大きく遅れていることは見過ごすことは出来ない。黒塗りの公的文書公開が公然と許される現実が一連の改竄・隠蔽の体質を助長しているのは、日本の民主主義がいまだに偽りであることを証明するようなものだ。純国産のステルス戦闘機「心神」の開発導入を、米国の顔を伺いながら断念した安倍氏の精神がわからないし、ムリして買わなくてもよい多くのオスプレイやイージスアショアなどの無理矢理予算や横田基地などへの米軍の予告のない前倒しオスプレイ配置などをみても、日本本土は沖縄同様植民地的な立ち位置にいることだけは間違いない。今の与党政権を維持していくには、内閣総辞職を断行し、自民からではなく公明党の山口氏に首相の座を禅譲するしか術はないだろうと考える。村山内閣と似た政権がいま必要な時かも知れない。イラク日報の隠蔽問題は自衛隊の一部に責任を負わそうという官邸の忖度的な企みも感じる。あまり官邸が防衛省を刺激し過ぎると再び226事件のようなものが起こらないとも限らない。石破氏は人望に問題があるし、進次郞氏はまだ若すぎる。さりとて野党ではとても乗り切れないだろう。要するに安倍氏ではもう限界だということだ。