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仁科広嗣の「新歴史の研究」 ●THE NEW HISTORY EYES●

仁科広嗣の「THE NEW HISTORY EYES」は人類の史書を後世に残すミッションを帯びており、新しい視点での歴史の検証を追究していきます。<潮流戯画手帖>

THE NEW HISTORY EYES...Vol.0011

THE NEW HISTORY EYES

Presented by hirotsugu nishina

 

Vol.0011…「史書に記される倭国の総裁選2020」

 

 自由民主党の総裁選が緊急事態での対応で、両院議員総会394票+地方党員141票(フルスペックでは394票)で行われることになった。その理由は説明がなされていないのは誠に残念だ。安倍晋三氏の病状はそんなに深刻なのかはよく分からないが、医療従事者がいうのだからとりあえずは認めておく。本当に病状が悪いのかは分からないが、彼の後継には菅官房長官が有力視され、各派閥のトップも彼への支持を表明し、数の論理から見ても岸田・石破氏に勝ち目はなく、ピエロの様相を呈している。にも関わらず両氏が負けを覚悟で総裁選に懸命に取り組んでいる姿は有権者からみてすがすがしくも見える。総裁選では菅氏が総理になることが有力視され、岸田・石破両氏は負けが分かっているにも関わらず、奮闘している姿を全国民はメディアを通し目にしている。このコロナ禍の状況で二ヶ月間以上、国会は閉鎖をしているのに、現職の総理が体調を理由に辞任したからといって、自民党が緊急を要するフルスペックでない総裁選を断行するのは国民から見たら余りにも理不尽に見える。来たるべき解散総選挙では自民支持層にはかなりの影響がでるはずだ。権力闘争は数の論理で大体決まるが、あるきっかけでそれが覆されることもある。朝日新聞の独自の世論調査で首をかしげざるを得ない報道を目にした。安倍首相が辞任表明後、ポスト安倍候補で一番人気があった石破氏が菅氏の下に位置しているという。それまで世論調査では、石破氏が世論調査で菅氏を二倍近く上回っていたが、菅氏が総裁選で勝利するという確信を得たのか、一位と二位を入れ替えてしまったという想像は誰しもが抱くに違いない。世論調査は電話での1000件ほどのものなので、世論を本当に反映しているか実に怪しいものだといえる。第二次大戦後、玉音放送の前日までは、戦意高揚・大本営直属のメディアだった朝日新聞が、終戦と同時に民主主義を唱えるのには余りにも変わり身が早すぎた。そういうトラウマが戦後75年経っても大手新聞社にはあると思う。石破・菅の人気ランキング入れ替えの云々についてはそのことで想い起こされた。

 中国では紀元前から史書を基準として国家の基盤を成し得ていたが、科挙制度にしても王朝が変わっても国家のリーダーの入れ替わりや出来事を公平且つつぶさに書き残している。中国4000年の四大文明の歴史の重みはそこにある。ただし、毛沢東政権での文化破壊大革命でその実績はチャラになった。そういう観点からでも今日の中国共産党王朝の独裁的な政が今後どういう風に公文書として評価されていくのか興味は尽きない。香港や台湾への対抗も今後難解を極めるだろう。個人的には中国は民主的な国家に是非なってほしいと願ってはいるが。人類の権力闘争は数千年もの間繰り返されてきている。倭国(日本)の21世紀自民党の権力闘争劇も将来一つの事例として中国の史書に記されているに違いない。日本では公文書を残す制度をないがしろにされているからだ。官邸忖度的風俗系新聞社夕刊のガセネタかどうかは知らないが、トランプ氏の再選が決まれば、安倍総理が再々登場という筋書きもあり得るとは言ってはいるが、もしそうだとすれば、今回の辞任劇は仮病と言う誹りは免れないし、首相の途中辞任が三度あるという悲劇の茶番は許されない。菅総理が一年限定の縛りがあっても、中堅メディアでの行き過ぎた言動は充分慎まなければならないだろう。安倍氏命のメディアという立ち位置は理解できるが、コロナ禍での今現在報道の混乱は避けるべきだ。安倍氏の首相在任記録の更新は公文書でも存在しなかったと未来の歴史学者は言うかもしれない。そうであっても当事者が公文書の存在を否定していたのだから自業自得となる論理は成立する。21世紀になっても人類の文明や権力闘争の有り様は有史以来まるで進化していないようにも見える。