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加地鳴海の天正戦国小姓の令和見聞録(hatena version)

人類の歴史を戦国の小姓の視点で深く追究していきます。

THE NEW HISTORY EYES...Vol.0075

THE NEW HISTORY EYES

Presented by hirotsugu nishina

 

Vol.0075…『ロシアとウクライナの和平案、そしてニッポン。』

 

 2021年の秋にウクライナのゼレンスキー大統領はウクライナ領のロシア派地域に予防攻撃をしたことを表明したが、この事はウクライナ側がロシア側に先に攻撃(アゾフ連帯)を仕掛けたことを証明したことにつながる。つまりロシア側は正当な防衛のための侵攻という大義が出来ていた。2022年10月になり、ウクライナの反抗の勢いがメディアで伝えられているが、紛争はウクライナの領土奪還や勝利は現実的に難しい状況にある。ウクライナとロシアの講和がそろそろ必要だという世界的な世論の動きが強まっている。元国務長官ヘンリー・キッシンジャー氏とイーロン・マスク氏がウクライナとロシアの和解案を提示したが現実味を帯びてきている。ロシアの四州併合の法制化が終えたものの、ウクライナ側の抵抗は激化している。とは言っても、冬将軍の到来とロシアからEUへのエネルギー供給も深刻になっており、ゼレンスキー氏が国民の生活や命をなげうって戦いの勝利を得ようとすればするほど、ウクライナ焦土化は止まることは無いだろう。常識的に言って国のトップならできる限りの戦いの終結に心血を注ぎ、未来志向と和戦両様のスタンスを持つべきだ。無限のウクライナへの武器供与支援体制がNATO側の防衛面での不安が高まっている。確かにこれまでは、ウクライナ・ゼレンスキー氏が善でロシア・プーチン氏が悪というレベルで西側の世論は動いてはいた。ところが、ロシアへの経済制裁やエネルギー制裁は効かなくなりつつある。ロシアへの制裁の音頭をとる米国ではインフレや株安が顕著に現れ、NATOEU間のほころびや、ロシア寄りのトルコ・エルドアン政権やハンガリー政権が紛争解決への複雑さを助長している。たとえロシア側が一時劣勢に見えても、軍事力においてはウクライナ側の劣勢は動かしがたい。独立国への侵略は許しがたい行為だが、ウクライナとロシアは元々同じ国だったはずだ。その内紛を助長したのは他ならぬNATOの際限ない東方拡大という戦略的な地政学が強く働いたからに他ならない。ロシアの戦術核の可能性は高いだろうが、ウクライナ側中枢はそれには織り込み済みのようだ。市民の側に立ってみればこれ以上の軍事的な攻防は意味が無く、早急な和解案に取り組むべきだとの声が高まっている。個人的にはロシアもウクライナもお互いに「孫子の兵法」である不戦を会得する機会が訪れ、和解する素地が整うのを願うばかりだ。

 レームダックに陥っている日本の政府は米国やNATO側での立ち振る舞いを表明しているようだが、第二次大戦での敗戦国と今現在でも国連の旧敵国条項に相当する国際的なポジションにあることを忘れてはいけない。大政翼賛会の中心的位置にいた岸信介氏はA級戦犯のレッテルを貼られていたのにも関わらず、米国との不可解な取引とも取れる突然の無罪放免があり、首相にまで上り詰め、旧統一教会との太いパイプを作り、今日での国内の霊感商法を巻き起こした素地をつくった罪は大きい。日本の国民はまさに日本の政治の土壌が壊滅している様を見ているようだ。政治家では国は変えられないという不文律が定着しているのは残念で仕方が無い。個人的には政治家でも官僚でも無いのでここでいくら叫んでも、仕方の無いことなのかもしれないが、もし私が影響力のある作家だったら、時代の変革者を応援するに違いない。