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1587<道満丸景虎と小姓の戯言>(天正戦国小姓の令和見聞録)HB

人類の歴史を戦国の小姓の視点で深く追究していきます。

「はい、こちら2020東京五輪」第五章<その一、その二>


Behind The Story 2020 Tokyo...Vol.01-Vol.03-2015

 

■「初めて読まれる方へ」<これまでのあらすじと今後の展開>■
【以前中堅の広告代理店「くろくま広告社」で働いていた僕は、商学部出身の船橋君とは同期入社組で、後に美大の後輩である毒舌家の安藤も入社した。彼とは学生時代からなんとなく馬があう仲である。船橋君は会長の一人娘美智子さんと結婚し事実上の婿殿的存在。美智子さんは前会長の跡を継ぎ、船橋君は代表権のないCEOとなった。僕はその夫妻の娘みどり君の初恋の対象になった。当然、巷的にいえば不倫となるが、そんなどうでもいい噂など気にしてはいられない。こう見ても僕は立派な?家庭人なのだ。イケメン系だけれども、野猿系の妻恵理子と同じく野猿系の一人娘であるメタボリックな千鶴がいる以上は不道徳な事は出来ない。だが、プラトニックな淡い恋は誰にも渡すわけにはいかないし、公言するわけにもいかない。ましてや、親と子の年齢差がある恋沙汰などできるわけがない。といっても、恋は恋。透明な慕情は失いたくはない。みどり君は大学を卒業し、都庁に就職した。だが、将来はくろくま広告社の音頭をとることにはなるのだろう。その時までの修業なのかもしれない。千鶴は大学に行かずJSCの非正規社員で働き出した。妻の恵理子はガンを患い、僕はその日から作家を目指し、ボランティアをしながら細々と努力をしている毎日。そんなとき、東京都が2020夏季五輪の招致都市に選ばれた。「くろくま広告社」は五輪関連の仕事は来ないが、知人のアートディレクターとは付き合いが深い。招致が決まって上手く行くと思いきや、五輪での運営側の問題が深刻になってきた。今後どうなるのか。固唾をのんで見守りながら良い方法をと、僕と船橋と安藤がドキュメンタリータッチで話を進めていきます】

★目次・進捗状況★
「はい、こちら2020東京五輪
<2015年~20208月の開催日まで継続予定です>
■[2015]第一章 透明慕情:その一~その四
■[2015]第一章 2020東京オリンピック開催決定:その一~その六
■[2015]第三章 1940-2020 歴史は繰り返す:その一~その八
■[2016」第四章から第七章(予定)
■[2017」第八章から第十章(予定)
■[2018」第十一章から第十三章(予定)
■[2019」第十四章から第十六章(予定)
■[2020」第十七章から第二十章(予定)







第五章 新たな始まり<2016>


<登場人物>

・僕:中山正輝
・僕の妻:恵理子(野猿系)
・僕の長女:千鶴(野猿系)
・同僚:船橋真吾(イケメン系:代表権のないくろくま広告社社長)
船橋くんの妻:美智子夫人(ハイソ系:くろくま広告社会長<実質的な経営者>)
船橋くんの娘:絶世の美女:みどり君
・銀座マネキン嬢(昼は銀座通りのマネキン嬢、夜は銀座のサロン嬢:ユキ、ナオミ、サトミ、ミキ他。全員国立大出身のインテリ)
安土城天守閣での時空を超えた歴史上の人物の面々。
・美大の後輩:安藤(アートディレクター、ソラミミスト今東光似の毒舌家)
・くろくま広告社元会長:広瀬弘文(美智子夫人の父)
・銀座の若旦那衆他
・霞ヶ関官僚、国会議員
・その他随増殖・・・



<第五章:その一>


 久しぶりにマネキン嬢達が遅れてのGWウィークを楽しむらしい。昼は銀座のマネキン嬢、夜は銀座のホステスのアルバイトと、最近みんな疲れが出てきているらしいのだ。船橋君はじめ、僕と安藤も、良い機会だから親睦会でもということで、この日は、船橋君の行きつけのレストランに呼ばれた。水道橋の東京ドームホテル3階にある「RILASSA(リラッサ)」のランチバイキングは予約した方が良い。人気のあるレストランだ。一人3,000円ほどかかるが、船橋君は10人分席を取っていた。マネキン嬢が安土城では信長公の側室にならずに済んだということと、このところの世界情勢がかなりやばいことから、賑やかな食事会とマネキン嬢のワンマン時事歓談会になることは避けられない。
「お、なおみちゃん、しばらくだねぇ・・・」
「安藤君もね。同じ関西人、なかよくしまひょ・・・」
「ユキちゃんは無事安土から逃げ出せてよかった・・・」
「それがね。いるのよぉ。。。。そこに・・・」
「・・・・・、今東光の分身かい。」
「おい、てめえら、しばらくじゃねぇか。未来もたいして変わっていねぇなぁ・・・。船橋どん、信長公が寂しがってぞう。落ち着いたらけえってあげな・・・」
「パナマ文書ってなぁに・・・」
パナソニックの電気のマニュアル?」
ペリカン文書っていう映画のパクリ?」
「パパがナマでママにサービスって意味?」
「運河の通過証?」
「ちがう、ちがう、パクリでナマエがマジニわかった・・・」
「どれも違うゾ、おめえらは、ちっともこの時代の出来事わかってねぇんだな。つまり、こそこそ小銭を貯め込んでこそこそ人生を生き抜く奴らの、セコイ箪笥預金みたいなもんさ」
「それってさぁ、違法なんじゃないの?」
「法律ってもんはいい加減なもんじゃ。坊主の世界もな。世の中、銭があればそれでよしというのが気にいらねぇ。その点、船橋殿は恵まれない庶民のために財産を投げ打って、支援している。俺は、一目おいてるんだ。戦国の殿様にだってなれる。信長公もそういっておる・・・」
「パナマ以外でも結構あるらしいじゃん、タックスヘイブン・・・」
デラウエア州のCTコーポレーションのビルに315,000社のペーパーカンパニーがあるんだってサ・・・・」
「みんなズルしてんだ・・・」
「その額ざっと3,500兆円なりー・・・」
「世界のGDPの半分よねぇ。このさきどうなっちゃうのいかしらん。お店のお給料はもらえるの?」
「お金持ちはイイナァ・・・・」
「イイヨネェ・・・・」
「あたいたちにはトント縁がないわねェ・・・」
「円がない、エンがない・・・」
「パナマ文書、いろいろ名前がのっているみたい」
「三木谷、柳井、原田元ベネッセ社長、電通、ほか大手企業ばかり・・・」
「ヒラリーさんはどうなの?そのうち出るんじゃない?」
「パナマでは出ない?」
デラウエア州のCTコーポレーションルートか」
「さぁね・・・・」
「日本の政府が動こうとしないのは、参議院選挙にも影響するよね」
「なんかやるんじゃないの」
「舛添都知事が辞任するってほんと?」
「可能性はあるわねぇ。あれだけ、はっきり使ったんだから。申し開きは無駄という物よ」
オバマさんが広島に来るってほんと?」
「原爆投下の謝罪はなし?」
「日本が嵌められて真珠湾に行ったのが運の尽き」
「南方戦線だけにしときゃぁ、よかったんじゃ。信長公だったらそうしたよ」
「トランプさんは戦前のアメリカ国民の気持ちを代弁してるようなものよ」
「そうね、だって、国際連盟にも入らず、第二次大戦のナチスとの戦いにも無関心だった」
裕仁天皇の戦争責任は?」
「もちろんあったんだろうけれど、A,B,C級戦犯の1,000名の処刑で国体の維持がかなたってわけよ・・・」
「ユキは物知りね。いつもはぼーっとしているくせに・・・」
「あぁ、あと10分しかない。ここは90分のバイキングだった。食べよ、食べよ・・・。汗、汗・・・」
マネキン嬢の雑談にはいつも癒される我ら三人(いや四人か)でした。



<第五章:その二>


 大変なことになった。日本の2016、2020五輪招致委員会がIOCに裏金?前国際陸連(ディアク氏逮捕済み)側に、1億6,000万円を振り込んだ形跡があるという。フランスの検察当局が捜査をしているらしい。招致委員会の別動部隊であるマーケティング担当の電通が絡んでいたとしても、これは日本国内のメディアが箝口令を敷いても無駄な話。WADAのドーピング問題ガきっかけで明るみになった、日本にとっては重大な問題。五輪は世界のフェアなスポーツの祭典。なんらかの力が働いたなら、これは由々しき問題だ。IOCバッハ会長がこれまで日本のわがままな変更に緩やかなところをみると、IOC周辺の人達も絡んでいるとみるが真実がわかればこれはもう、2020東京五輪どころではないだろう。イスタンブールが負けたのは協賛金を払わなかったからとなればすべて納得がいく。僕も船橋君も安藤もマネキン嬢たちも、プレゼンでの提案と全く違うものをバッハ会長にいっても、快く受け入れてくれて、新国立も白紙にしても何も言わないと言う不自然さも、気にはなっていただ。招致最終コンペでもイスタンブールの方が優っていたにもかかわらず、東京に決定した背景には複雑なかけひきがあったのだろう。残念だけれども、この件が大事になる可能性は否定できず、東京開催が中止になるかもしれない。日本の開催がダメになりイスタンブールで代替開催もなくはない。日本政府はパナマ文書・タックスヘイブンは調査しない。2020五輪招致不正疑惑は調査しない。捜査が進むにつれ電通が絡んでいることは隠せないし、もしそうだったら、電通ガラパゴスは避けられないし、世界からそっぽを向かれるだろう。解体もありえる。ガリバー亡き後、広告代理店業界の再編は避けられない。2020東京五輪中止。これは安倍政権の命取りになるのかもしれない。。。それにしても、電通の名前が出たとたん、マスコミは一斉にその名前を削除したというのは、今の時代考えられないことでもある。言論の自由度が世界で70番代であるのが現実になって現れただけなのだ。それは、まさに中国や北朝鮮言論統制と少しも変わらない。この国には自由という名の報道はないのだろうか。マゾヒズムに慣れ親しんだ日本国民の哀れな性なのか、悲しい限りである。