■「初めて読まれる方へ」■
・・・・・・小学生時代からの幼なじみである船橋君とは、偶然にも中堅の広告代理店の同期入社となる。その15年後、船橋君の長女みどり君は名門のプロテスタントの中高一貫校の学生になり、彼女は深田恭子似の絶世の美女に育っていた。僕は美大で油彩を学び、船橋君は六大学の商学部で学んだ。みどり君と僕はピュアな慕情関係となってしまった。僕の娘千鶴もみどり君の学校で一緒だが仲は余り良くない。それから数年後、2020夏季五輪の開催が東京に決定。すでに都庁に就職していたみどり君は五輪準備委員会のメンバーとなった。だが、東京に決定したとは言え、問題が次から次と津波のように押し寄せる。2020東京は本当に大丈夫なのだろうかと、この目で追い続けるのは、時代の証言者としての責務でもある。開催までの出来事とフィクションでのエンターテインメント性を織り交ぜながら話を進めていきます。・:・・・・
★目次・進捗状況★
「はい、こちら2020東京五輪」(Behind the Story 2020tokyo)
<2015年~20208月の開催日まで継続予定です>
■[2015]第一章 透明慕情:その一~その四
■[2015]第二章 2020東京オリンピック開催決定:その一~その六
■[2015]第三章 1940-2020 歴史は繰り返す:その一~その八
■[2016」第四章から第七章(予定)
■[2017」第八章から第十章(予定)
■[2018」第十一章から第十三章(予定)
■[2019」第十四章から第十六章(予定)
■[2020」第十七章から第二十章(予定)
<登場人物>
・僕:中山正輝
・僕の妻:恵理子(野猿系)
・僕の長女:千鶴(野猿系)
・同僚:船橋真吾(イケメン系:代表権のないくろくま広告社社長)
・船橋くんの妻:美智子夫人(ハイソ系:くろくま広告社会長<実質的な経営者>)
・船橋くんの娘:絶世の美女:みどり君
・銀座マネキン嬢(昼は銀座通りのマネキン嬢、夜は銀座のサロン嬢:ユキ、ナオミ、サトミ、ミキ他。全員国立大出身のインテリ)
・安土城天守閣での時空を超えた歴史上の人物の面々。
・美大の後輩:安藤(アートディレクター、ソラミミスト:今東光似の毒舌家)
・くろくま広告社元会長:広瀬弘文(美智子夫人の父)
・銀座の若旦那衆他
・霞ヶ関官僚、国会議員他
・その他随増殖・・
「はい、こちら2020東京五輪」(Behind the Story 2020tokyo)
第九章 「風雲急ニッポン」
<第九章:その一>
先日船橋君の知人でダンサー兼女優を目指しているM嬢が、博品館劇場でのイベントに出演するというので、僕と安藤、そしてマネキン嬢達が招待された。水谷豊さんのプロデュースで、M君も頑張っていた。MLBカフェでも素敵なダンスを披露していたが将来が楽しみだ。個人的には、彼の伴侶である元キャンディーズの伊藤欄ちゃんのファンだったので、今はどうしているかなと気になっている。マネキン嬢のあけみ君、ユキちゃん、望ちゃん、みどり君、お局のさくら嬢も資生堂パーラーで楽しんでいた。
「よかったねーーーー、Mちゃん」
「あのセリフと優しい言葉使いは天性のものんだわよね~~」
「どこかの、ちがうだろー!この禿げぇーーー。このやろー!と弱い者イジメをする国会議員さんとは、ちがうわよねーーー」
「人間でないものと比較するのはよくないわ。違うだろ―・・・・」
「ユキちゃん、テレビの音声聴き過ぎておかしくなったんじゃない?」
「あんな風にはなりたくないわよね」
「そんなつもりはなくても-、車の運転中にパワハラは犯罪よね」
「もう議員生命は終わりじゃん、もう終われば・・・」
「もうすぐ都議選ね、投票いった?」
「あたいたち人形には選挙権あるわけないじゃん」
「そうだよね、でもなんだかんだ言っても小池ちゃん勝つんじゃない・・・」
「たぶんねー、自民はかなりやばい。解散するかもね。中山さんも言ってた・・」
「ま、どっちでもいいけど、あたし達の生活には関係ねぇだろ~~~」
「なんかみんな豊田調のミュージカルやってるみたい」
「もうその音声の話はよそうよ。気持ち悪くなる。女なら女らしく、怒るときは筆談で・・・」
「そうよ、そうよ、そうしましょう・・・」
「森友学園や加計学園も迷走中ね。ニッポンは変な国・・・」
「証拠があっても知らない?認めない?」
「それって、目の前で犯罪を犯しても、私はやってない、というのと同じじゃない」
「やったもん勝ちの国なんだ~」
「マネキンの私達の敵?」
「でも、普通のニッポン人はとてもいい人よ・・・」
「権力の中枢に入ると人間は変わるんだ・・・」
「もし、秘書が喧嘩っぱやい人だったらどうなってたんだろう。想像出来る?」
「できる、できる。こんな刑事事件になるんじゃないの・・・」
『ちがうだろ~。ちがうだろ~。このハゲ~』
『なんだとー、このやろう、いったい誰に向かっていってんだよう』
『真由子様の言うことが間違っていると言うのかよ~』
『っ当たり前だろう、お前が間違ってるんだよ~』
『今日中に配り終えろよ~今日中に~』
『なんだと~てめぇがやれ~』
『死ねば~』
『あぁ、死んでやるよ~、その前に車を降りて俺にひざまづけ・・・』
「こんなことも、ありえるんじゃない?」
「あたいたちには、関係ないこと。それより、麻央ちゃん可哀想だったわね~」
「人間の乳がんって大変みたい。あたいたちにはないけど・・・」
「でも、人間さんはちゃんと定期検診必要ね」
「北朝鮮のミサイル情報って、税金の無駄遣いじゃないの~」
「正恩ちゃんとトランプちゃんが平和条約むすぼうって時にね。ちゃんちゃら可笑しい」「ムーニーの安倍ちゃんがやるんだからたかが知れてるわ・・・」
「国民は迷惑千万・・・・」
僕達三人はいつも彼女達の会話を聴くのが実に楽しく感じる。存在自体に裏も表もないからだ。あの国会議員のようになったら人間おしまいだ。昨今の代議士はどうも人格がおかしいように思う。既婚者なのにわざわざSNSで重婚相手と結婚式の写真を載せる常識のなさ、献金をもらいながら表沙汰になると逃げ口上となったり、自衛隊を党の専属のような発言をしたり、忖度が重大なパワハラとして感じなくなった代議士たち・・・。こんなことで2020年の五輪は立派に開催できるのだろうかとこの日我らは、足取り重く、暑気払いに行くのだった・・・・・。
<第九章:その二>
小池都知事の猛進ぶりには頭が下がるが、国政に影響を与えたダメージは限りなく大きい。都知事が国政に関与するのは問題外だが、押されるように物事は進まざるをえない状況が今の日本にはあるから仕方がないことなのだろう。森友や加計学園と安倍氏個人の関係はもはや疑いようのない物になり、全容が解明されるのは時間の問題だろう。その時、永田町には風雲急の出来事があるに違いない。
歴史はまた繰り返されるのだろうか。米国では2008年にリーマンショックが世界を襲い、金融不安を誘いこんだことは記憶に新しいし、忘れることはないだろう。それ以前には住宅でのサブプライムローンが全米で問題になっており、不良債権を証券化し市場に廻しこむという荒業が、ウォール街の金融工学者の発明されていた。結果的には公的資金で救われるところは救われ、なぜかリーマンブラザーズは標的になり、生け贄にされていたの。およそ7000兆円にものぼる不良債権は何処へ行ったのだろうか。。。いまだに、リーマンショックの原因がわかってはいても、政治に関わる人達(エスタブリッシュと言う既得権者)は、ウォール街詣でを辞める気配はない。クリントン元大統領夫妻は民主党でウォール街とは疎遠と思いきや金融街での講演料が一億円ともいわれ、オバマ氏でさえその倍くらいの講演料をもらっているという。クリントンキャッシュの疑惑はどこへいったのだろうか。両者とも年間2000万円~3000万円の公的年金が保証されているにもかかわらず、縁を絶ちきれないのは何故なのか。ウォール街と離れては都合が良くない事情もあるのだろうとだれでも勘ぐりたくもなるドナルド・トランプ氏が一体どこまで本気で本丸に挑むのかは未知数どころか、彼もミイラ取りがミイラになる可能性が排除出来ない状況となっている。
そしてこんどは、車のサブプライムローンと学生ローン破綻が押し寄せる。
非正規の労働者でも何百万円もの高給車を売りつける。支払い能力の限度を超え信用がなくても車が買える。買い手が返済できなくなっても再契約の繰り返しで、危険性があってもディーラーは売り上げを伸ばそうとするだろう。例えばバリューローンというのがあるが、新車の3年間は利息だけ払って最終回支払時に全額払うという契約。全額は無理だからあらためて、再契約をし同じ事を繰り返す。10年で3回もやれば車の市場価値も下が、思うように下取りはできず、契約を解除すると車は二束三文で買われ高額な借金だけが残る。1000万円もの学生ローンを組み、いざ就職しようにも割にあう勤め口にありつけるのは恵まれた部類にはいるだろうが、学生ローンを払いながらだと、まともな稼ぎではとてもまかないきれないのは明白。車も学生ローンも、再び金融不安を巻き起こす起爆剤になるのは時間の問題だろう。
マガノミクスはトランプ氏のMake America Great Againを混ぜて作られた用語で、レーガノミクスの呼び名を真似たものそうだが、財政的には同じような道を辿るような予感はする。日本では、アベノミクスの道は泥んこ状態で、視界も見えなくなったことは言うまでもない。日本では新たな指導者が望まれている。権力をかさにして、気に入った特定の者への計らいや、便宜を法律をかいくぐって、こそこそとつまらない野心を求める官邸は、未来ある後身に道を譲り、国家百年の計を論ずる明るい世論を形成し、正しい羅針盤を設置する義務がある。余命幾ばくもない永田町の老害政治では、これからの世界の流れにはついてはいけないだろう。僕達三人は、猛暑をかいくぐって武蔵境のパワースポットで、リラックスタイムを満喫した。