仁科広嗣の「新歴史の研究」 ○THE NEW HISTORY EYES○

仁科広嗣の「THE NEW HISTORY EYES」は人類の史書を後世に残すミッションを帯びており、新しい視点での歴史の検証を追究していきます。

「生還特命日記」<個人再生最強心得帖>

 

「生還特命日記」<個人再生最強心得帖>

 

 人間の仮面の裏には空恐ろしい本能の世界がある。一般的には裕福な家柄で育ったお嬢様育ちは温厚で淑やかで気品あるイメージがあるが、精神的にどん底に陥ったときとか、切羽詰まった経済状況に遭遇したときとか、怒りの限界を超えたときとか、そういうときには、損得や営利的な本能が現れる。誰もが羨む絶世の美女と結婚したとする。そのときから、その絶世の美女の仮面は裏表を伴侶の前にさらけ出すことになる。恋愛中はプライベートな日常の姿は覗くことが出来ず、ゴールインするまでは妄想と想像、そして見せかけで交際することになり、相互の本当の姿や心理的なものは見えていない。彼女がおならをしたり、生理的な物事や行いを目のあたりにすれば、さぞかし相手の伴侶は興ざめするに違いない。結婚は社会的な契約であり互いの金銭的賃貸借契約でもある。だから、大抵の男は奥さんに財布を握られ、経済的な困窮に追い詰められる。二人で必死に貯めた虎の子を男が借財の返済に充て、なおかつ多重債務に陥ったとき、元お嬢様育ちの娘が「あなた、大変でしたね。でも私はあなたの味方です。一緒に頑張って返済していきましょう・・・」などという優しい言葉をかけられると思ったら、大きな間違いだ。現実には「何してんだテメイ、何でもいいから今すぐ、耳をそろえて1千万円アタイの目の前にもってこいよ」、とか言われるのが関の山だ。あの今までの淑やかで品のある元お嬢様育ちの面影はすでになく、人生終活に勤しむありふれた怖い初老の女人と化していた。独身でも家庭持ちでも借金のための人生の終わりにはしたくはないものだし、再起を図ってリベンジする気持ちがないと克服できるものではない。それを「生還特命」と自分自身に言い聞かせる日々が長く続いた。それが、後に続く500万人の破産予備軍の羅針盤となってほしいと気持ちが大きく沸いてきた。借りたお金は他の所から借りてまで返す必要はない。最後は、特例の法律が自分を守ってくれると信じ、目を通してほしい。

 

 

序章 「教訓と人の有り難みを知る」

 

 三年間の民事再生の払い込みを最近ようやく完済した。ここまで来るのには人には言えない長い道のりがあった。そういう意味での負の達成感と教訓が自分の中に芽生え、これまでの自分に対してのリベンジも同時に派生したのは確かだ。法人レベルでの債権放棄の話はよく聞いてはいたが、個人レベルでの債権放棄の特例の法律が現実的に存在し、当初はそのことが自分の負の連鎖を救ってくれるとは夢にも思わなかった。思えば、二十代の前半で三十六回の分割購入(月賦購入)の機会があり、某百貨店で高額なブリタニカの百科事典を学生時代の勉学に役立てた時期があった。当時セットで三十万円もするものが10万円で販売していた。CMでも三十巻セットで30万円以上はしていた。しかし、購入契約を終えた数日後に、百貨店から販売金額を間違えていたと知らせが届いた。こちらとしては、信じられない価格だったが、アルバイトの販売担当者が間違いなく契約してくれたのだ。何度も彼に確認したので申し訳なく思ったので疑うべくもなかった。結局示談で百貨店の落ち度と言うことになり3分の1の値段で三年で完済した。たしか元利均等払いで月々5000円だった。当時の家賃が3万円代で生活費や学費などで家計はきつきつだった。それでも踏ん張って完済した。居酒屋のバイトではとても足りない。スタジオや美大の受験塾でのすっぽんぽんのヌードモデルや女装喫茶店などのほうが遙かに稼ぎは良い。それで大学はなんとか卒業した。ローンに関してはそれが初めての体験だった。

 いま思えばそれが人生転落の布石だったということになる。そういう過去のローンの経験が後年仇となってい帰ってくるとは想像だにしなかった。いわゆる、カードローンというやつだ。無担保で年収分の額をリボルビング払いでやれば月々の支払いは微々たるものになる。当然将来いつ完済できるのか気にしなくなり、負債残高を考えるのも面倒になり、金銭感覚もおかしくなっていったのを覚えている。家族に内緒でカードローンを目一杯借り、会社からも互助会で限度額いっぱい借りてしまう。広告代理店での仕事の付き合いで負債は泥沼化し、会社の経営も傾き大リストラの餌食になる。会社都合での退職扱いだから退職金の割り増しがあったが、小さな企業だったので額は少ない。家族には借金返済の額をひた隠しにして、一部を返済し、残りを退職金として渡した。退職金すべてを借金返済に回すと何も残らない。負債はどんどん雪ダルマ式に増えていく。そこで、自営業に挑戦するも、銀座界隈での接待費が膨大になり、個人の民事再生の憂き目に遭ってしまった。リボルビング払いは毎月の支払いは楽そうだが後が怖い事を身をもって知った。

 今でも弱者へのしわ寄せや自己破産を目前に控え手ている人や、 将来そういう風になることが予測される人が大勢いると聞く。 それは自分の紆余曲折、七転八倒の経験からでもよくわかったような気がする。 改正貸金業の施行で、それまで、自由に街のサラ金で財布代わりに使っていた、爺ちゃん婆ちゃんたち、 主婦やフリーランスの人が使えなくなり、逃げ場を失うことになった。政府の弱者いじめと言うしかない。 メガバンクは改正貸金業の適用外で、旧サラ金会社を傘下に治め、 保証会社・債権回収機関扱いにして、庶民にローンを組ませ利益を生みだすシステムを構築した。 それが銀行の本業化になったことが、現在の銀行の先行き不透明感につながっている。 銀行業界の今後のリストラ予定を見てみるとよくわかる。 過払金ビジネスはCMで唄われるほど有望な仕事には見えない。 壁はそのうち訪れる。銀行の行く末も暗い。

 多重債務に悩み、自己破産するしかないのか、 どうしたらいいかわからない人、一体だれに相談したらいいのわからない人が激増している。 周りをみわたしても結構いる。普段、真面目で地道に生きているサラリーマンやOL、主婦、フリーター、 自営業者、中小企業の社員、経営者でもいつ何時そうなるかわからない。 お金は借りたら返すのは当たり前なのだけれど、返したくても返せないときはどうしたいいのか、 個人の債権放棄はしてくれるのかだれか教えて、 と日々切実な思いを寄せている人は数限りがないと思っている。 そういう、自分も個人民事再生まで来るとは努々思っていなかった口だから(すべて完済したが)、 同じような悩みを持っている人に、 是非良い方向にって欲しいという思いを込めて綴っていきたいと思っている。 そして、是非この実践に基づく「生還特命日記」をご参考にし、いくらどん底にいても自分を信じ、 希望をもって解決し本懐を遂げてほしい。自己破産だけは絶対しないように、自力で立て直す最善の策と心構えを具体的に、完済までの三年間の悪戦苦闘を時系列で最終章でご紹介し、アドバイス等も交えるので是非参考にしていただければ幸いだ。本文中同じような言い回しも目立つと思うが、回想と教訓の認識を新たにするためにも、お役に立てるサブリミナル効果の一環としてご容赦ねがいたい。

 

 

 

第一章 「新たな自分への道」

 

 「国境の長いトンネルを抜けると雪国だった」という川端さんの小説は有名だが、「生還特命日記」は読む方にとって「長いトンネルを抜けると虹色の風景だった」という希望の灯火であってほしいと思っている。

 毎年12月になると年を越せるかどうか江戸時代の庶民の周りでは、 お金をめぐる件では慌ただしくなっていたんだろうなと感じている。 一年の計は師走にあり。正月を前にして庶民にとってはまず無事に年を越せるかどうかが問題になってくる。時代が変わってもそれは今でも全く変わらない。 世の中を取り仕切る胴元が変わっただけで、社会の仕組みは同じなのだ。 征夷大将軍天皇、軍部、戦後の民主主義社会と移り変わっても、 弱者と強者の共存とその差別化と不条理は確かに存在する。 御上の申すことには逆らえない、という徹底した封建制度での観念が日本人の深層心理に働き、 真面目に生きれば生きるほどバカをみる時代の風潮には懸念せざるを得ない状況にある。ましてや2020年のコロナウイルスの世界的感染拡大による、庶民の懐は壊滅状態にある。日本の官僚のあり方や官邸の偏向的な政や美意識・美徳の崩壊が日本の国力の脆弱さを世界に露呈させてしまった。 日本は戦後70年を過ぎても、米軍の駐留はそのままだし、国家の防衛の基本である制空権は未だに在日米軍が握っている。日本は今でも日米地位協定・日米原子力協定・日米安全保障条約という三点セットと言う呪縛に封じ込められている。 日本の自主独立は今世紀中に確立されるかどうかわからない。制空権のない我が国は自治権が認めれているに過ぎない。横横田基地在日米軍の制空域はかなり広大で、日本の民間機は自由に飛行ルートを決めることができないのが現状だ。

 1994年から2008年まで続いた米国からの年次改革要望書は2010年に日米経済調和対話という形で復活している。要するに年次改革の呼び名が変わっただけだ。権力者側が官主導で市場を形成しようとして、 いたずらに忖度とか心理的な圧力で役人や経済界で働きかけようとしても 上手くいく保証はどこにもないのだ。いや、上手く行かないほうがほとんどだろう。 そして、日本では戦前から政治家や役人はだれも責任を取ろうとしない。大政翼賛会の中枢にいた祖父の系譜の位置づけにある人が、官邸を唸っている限り戦後の東南アジアの緊張の糸はほぐれそうにもいない。コロナによる企業への持続化給付金の施策にしても幽霊会社という天下り法人のような組織を介して、広告会社の戦略の軍門に下り、国民の税金が彼らの打ちでの小槌になっていることは世界的にも異様な光景でもある。日本のマスコミがその事を幇助していると言われても仕方があるまい。 庶民は泣き寝入りの憂き目にあうだけだ。 ローマ帝国の歴史研究の大作家である塩野七生さんが民主主義は取扱注意の危うい代物で、 50%+1で権力を手にすることができ、リーダーの器や智慧が問われると言っていたが、 目下の政ではそれに遠く及ばない。

 民事再生の完済を機に世の中の裏と表の世界を垣間見た思いがするが、もし、ご自分が悲劇的な状況を招いたとしても、その手助けとなれば幸いだ。

 

 

第二章 「多重債務からの生還に成功するために」

 

 生還特命日記では、多重債務で壁にぶち当たっている方、自己破産予備群の方、これから自己債務が増えて行く方、自己破産・民事再生債務整理について法的な手続きをする前に体験者に相談されたい方、借金でどうしようもなくなった方、など債務保持の前の自分に生還するための羅針盤となり、そして今後解決して行かれる方達のためになにかお役に立てないかという想いが自分の中にある。借金苦から抜け出すには、いろいろな方法があるけれども、借金のために何度も金融機関から自転車操業で借りていくのは、全くの論外でそれまでの債務が減るどころか、ますます借財額が増え続けることになる。競馬やパチンコ・競艇・競輪・バカラなどのギャンブルで一山当てて返済しようとするのも論外。知人や親戚・勤務先からの無心も同じこと。 つまり、どうやって、自己責任で誠意を持って努力して返済していくのが可能なのか考えなくてはならない。法的な手続きなしで、個人が返済できるのは、おそらく100万円くらいまでだろう。だから、公的な計らいで救済してくれる法律があるのだと思う。借金して返済できないから安易に、自己破産・民事再生債務整理の手続きをするのは問題。返済のメドを立てられる状況を構築しながら、どうしても現時点では自己破産やむなしということなら、まず信用出来る司法書士事務所に相談することだ。最初から弁護士事務所はお奨めできない。おそらく自己破産を薦められることだろう。なぜなら自己破産の法廷手数料は高く、彼らの食い扶持であるからだ。

 多重債務に陥った場合、順序としてまずしなければならないのは、借りた金融機関への事前連絡と窮状の深刻さを涙ながらに手紙を出しておく。口頭だけでは、言った言わないという事にならないためにも、文書としてはっきり相手に示しておくべきだろう。事情を詳しく伝えて返済のリスケジュール案を提出する。そうすると、相手の担当者は同情心が生まれ、与えられた権限のなかで進めようとする。返せなくなった段階で唐突に言っても向こうは相手にしてくれない可能性はある。誠意をもって、頑張って返済していく姿勢はもたなければいけない。借りたお金は返さなければならないという社会通念ができているから信用貸しができているとうことを忘れてはいけない。借りたお金で返すという自転車操業は必ず破綻する。「てるみくらぶ」や「はれのひ」は資金がないので自転車操業を行い、そして破綻した。よくあるパターンだ。民事再生はそこから脱線してしまった現実であるから覚悟を決めて解決しなければならない。示談で債務の解決ができてしまうのならこれほどいい物はないけれども、現実的には難しい。示談が成立しなくなった場合は、裁判所を介して解決するしかない。だから日頃から司法書士事務所と仲良くしておいたほうがいいと思う。

 

 

第三章 「怠ってはいけない民事再生の認可への入念な下準備」

 

 生還特命日記では、自己破産を回避しつつ民事再生でリベンジに成功するための、いわゆる自己体験による反省と教訓・より良き処方箋を述べてみる。読まれる方は、ご自分に対して卑下なさるかたや、不本意なご自分の姿を認めたくないという心理の壁があって、心が開けないという方も多いことだろう。私の場合も最初はそうだった。家族に内緒で様々なカードに入会し、全てを限度一杯まで借りまくり、そのうち自転車操業状態になり、債権者からのお知らせや、現住所の確認で自宅まで来たり、サービサー法による債権回収機構からの執拗なメール便が頻繁になり、電話が鳴りっぱなしになる。家族にはとうとうバレてしまい落ちるところまで落ちてしまった。そこから、這い上がるのはとても簡単にできるものではないとめげてしまうのは当然のこと。自己破産なら財産は一切なくなり、住むところもなくなり、再就職も制限されてしまう。民事再生なら100万円を3年間で完済すれば残りの債務はちゃらになり、再就職の職種も制限はないし、住宅ローンも払い続けながら、元の生活に戻れる。あなたならどちらを選ぶ?当然、おそらく後者にするだろう。  

 さて、最初はどうするか。弁護士事務所という手もあるが、いきなり自己破産を薦められる公算は大のようだ。市民の無料相談窓口にいっても同じだった。私の場合は、まずネットで司法書士事務所を探し、評判の良いところを選んだ。 手始めに、それまで使っていたカード会社(銀行・信販・クレジット会社)の過払い金の有無を調べてもらったほうがいい。いわゆる一社ごとの債務整理という形での委任契約となる。成功報酬だからお金の心配はしなくていい。ただ、後々の事を考えて、司法書士事務所との委託契約は交わしておく必要がある。その後、民事再生では書類を揃える数が多い。早い内から懇意にしておいた方が無難だ。申し立てをした時点で、それまで払っていた多重債務の支払いはストップする。自動引き落としの場合は、二、三か月、引き落とし日にゼロにするか足りない状況にしておく。だが他の公共料金などの引き下としには注意が必要だ。司法書士事務所では債権者や裁判所とのパイプ役だから大事に付き合っていこう。申し立てから裁判所の認可が下りるまではおよそ1年はかかる。その間は、それまでの返済分は司法書士事務所でストックしてくれるから、安心だ。民事再生費用に充当することも可能だ。

 

 

第四章 「二通りの民事再生

 

 民事再生では二通りの方法がある。 これは重要事項。 一つは、(1)『給与所得者個人再生』というもので、例えば5社から多重債務がある場合、 全社が返済減額に応じてくれなかった場合、 裁判所の命令で強制的に減額をおこなわせるというもの。 このケースで注意しなければならないことは、 住宅ローンの残額が時価の評価と同じであれば財産はゼロと見なされるが、 評価額より低い場合はその差額が財産保持とみなされ、 100万円の返済に差額財産額がプラスされ支払いが多くなる。 このケースは敷居が高く用意する書類は膨大になる。 裁判所が債権者が債務者に対して文句をいわせない状況を 作り出す意図があるのかもしれない。 もう一つは、(2)『小規模個人再生』というもので、債権者である全てが減額に応じる場合、 住宅ローンの財産価値は考えなくてもいいというもの。そこが自己破産とは大きな違いだ。 司法書士事務所の債権者への説得力には差があり、 どちらのケースになるかわからない場合は、 当初は大事をとって給与所得者個人民事再生で進めることが多い。どちらにしろ、個人の民事再生だは、住宅に関しては債務者が手放さずに済むように法律で決まっている。 だが住宅ローンだけは減額できないことから、 不動産物件の購入には慎重の上にも慎重を期して行く必要がある。 小規模個人再生では前者と比較して用意する書類は割合シンプルだ。 なぜなら債権者が全て承諾しているわけなので、 いわば示談に近いといえる。 あと裁判所への出頭もあるが、債務者の債務状況と返済の状況で、 書面で済む場合がある。私は司法事務所とのやり取りだけだった。 ただし、裁判所と司法書士事務所(当事者の代理)の間をとりもつ法的な縛りがあり、 弁護士との簡単な面談には応じなければならない。 弁護士は民事再生委員という名目で 報酬は20万円ほど。分割返済は可能だが司法書士事務所での調整は必要だ。 私は司法書士事務所の方と同伴で弁護士事務所で面談を済ませた。 民事再生では住宅ローンの返済可能が条件で、 なおかつ家族で三年間で100万円を完済できるかが問われる。 500万円までの多重債務なら400万円の債務減額が可能となる。 多重債務で払えなかった事を考えれば、 払っていける条件を突きつけられるのは当然のことと言える。注意しなければならないのいは 民事再生が認可されても、また払えなくなったら完全に自己破産することは心しておくべきだ。 そこのところは肝に銘じたほうがいい。 さて、住宅を手放さずに借金が減額できるのが民事再生のいいところだが、 住宅ローンは一切減額できない。奨学金とおなじだ。一時的に支払いを少なくする方法はあるが、 残額は変わらない。電車でマンションの中吊り広告を見ていると、 そら怖ろしくなることがある。 6000万円が借りられる?そんなに返せるのかな? ふと疑問が頭をよぎりる。 常識的にはマンションを買う場合、頭金は2割が基本とされている。 少なくても1割は用意したいところだ。 親の援助は期待しない方がいい。実際親だって大変なのである。 もし頭金が0円の場合は、マンションの可能購買価格は3,000万円までが無難だろう。 毎月10万円前後、ボーナス時はない方がいいが、 あっても+10万円以内にとどめておくことにしよう。 買った年齢が40歳の場合、返済期間が35年間だと75歳が完済時期。 おそらくこれが限度だ。 60歳か65歳で年金がもらえるが、これだけではとてもやっていけない。 3,000万円でも四苦八苦の予測が付く。 その上での民事再生は傍から見れば敷居は高いように見えるが、 払っていく人はそれなりの目算がなければ行動に移さない。 中吊り広告の内容だが、 マンション価格が6,000万円で、頭金が0円。 つまり6,000万円全額を借りるということになる。 100万円の借り入れで2万円の保証金ということは、 6,000万円だから借入時に120万円かかることになる。 管理費は月15,000円、修繕積み立て金月20,000円。 修繕積み立て基金は購入時に50万円。 当初毎月返済11万円台、ボーナス時20万円台。 登記費用、引っ越し費用、家具・家電・インテリア。 マンション価格の1割程度はかかる。 全て借り入れると7,000万円くらいになるだろう。 購入後5年が過ぎたら、支払額は年額で2、3割増える。 それが35年も続くのだ。会社を退職したら退職金でチャラは、 それは昔の話し。現実的ではない。 こういう販売のやり方には賛成できない。 可処分所得がドンドン目減りし、 入ってくるお金は右から左へとスルーするだけの人生になる。 多重債務はこのようなところから起きてくる可能性は高い。 無理をした住宅ローンは要注意だ。

 

 

 

第五章 「多重債務の原因を探り教訓とする」

 

 お金を借りるのにはれっきとした理由があるが、 貸す側としては貸した相手に利息を付け、有利な取り立てを考えるものだ。 昔は買いたいものが欲しくて、カードなしでも分割払いというものがあった。 そのうちに、信販会社が会員カードを発行し顧客をつかもうとしたが、 クレジットカードが全盛になり、 分割以外にキャッシュを貸すシステムを構築した。 リボルビングの一定支払いが利用者の負担を軽くしたように見えたが、 払っても払っても元金が減らない。 ショッピングとキャッシングの利用がどんどんふえ それが当たり前になったのがいけなかったのだろうと思う。 銀行が改正貸し金業法の適用外を逃れ、 旧サラ金業者を傘下に治めて、 キャッシング業務で利益を上げてはいるが、 世論の批判を浴びている。 プロミス・アコム・レイクなどには保証会社としてのポジションを与え、 債権回収業務に当たらせる。 つまり、取り立てに精を出させているわけだ。 多重債務に陥っても取り立てには容赦しない。 親会社のほうではそれはできないし、また腹も痛まない。 銀行のカードローンで限度額が1,000万円というのはいかがなものだろう。 ごく一部の富裕層しか利用できない。 庶民での限度はせいぜい100万円とみていいだろう。 民事再生でも自己破産でも3年間で100万円というのも、 現実的な線とみるべきだろう。 自転車操業は自分でも経験はあるが、そう言う泥沼にはいったら、 なかなか抜け出せない。 だれかの助けが必要だ。 自己破産なしでの個人民事再生。それが平成の徳政令と言われる所以だ。 頭の片隅にでもしっかり治めておこう。 いつ何時あなたもそうした方が未来を開ける時機がくるかもしれないからだ。 そうならないよう日々努力する姿勢は必要なのだが。 もしそうなっても、 前向きに自己解決する覚悟は持っておいた方がいい。

 

 

 第六章 「民事再生での基本的心得10ヶ条」

 

 まさか自分がこんなことになるとは思っては見なかった人は多いだろう、 自己投資への過大な思い入れと、人の意見を聴こうとせず、 自分が世界を動かしていると言った変な躁状態が、 多額の借財を招いた一番の原因だろうと思う。 いまとなっては民事再生を予定どおり終わらせ、 再起をはかることだけを考えよう。 そこで民事再生の当事者になると覚悟して留意すべき事がいくつかある。

1)ブラックリストには当然載っている。官報にも載る。勤務先での影響は皆無。

2)あらたなローンは一切組めない。携帯の分割払い契約はできない。信用を失っているから。

3)家族がいるなら包み隠さず話すこと。もはや隠しても無駄である。書類の作成や官公庁への出向きもあるから。

4)民事再生費用は司法書士事務所に50万円、民生委員(弁護士)に20万円。これは分割可能。

5)裁判所の承認が出るまでは、確実に返済できる家計状況を報告する。家族の合算。

6)基本的に三年間(場合によっては5年間)。

7)新たな借金や贅沢な買い物はできない。ただし、 生活必需品の購入や工事は余裕があったらやっても良い。

8)自己破産なら職業的な制約はあるが、民事再生ではない。

9)申し立ての開始(司法書士事務所)から裁判所の承認まで、長くて一年は見ておいた方がいい。 その間に倹約をして積み立てておいたほうがいい。

10)財産は全て返済に廻されるからゼロにしてく。 自己破産予備群がどんどん増えている。 どうしようもなくなったら司法書士事務所へ行くことだ。。。

 

 

 第七章 「自己破産・民事再生にかかる経費」

 

 膨大な借金を抱え追い込まれた当事者が、それに輪をかけるように自己破産・民事再生にも多額の経費がかかると言う現実からは逃れられない。過払い金の広告では成功報酬で司法事務所や弁護士事務所に何割も取られるが、全部が戻ってくるとは限らない。戻ってこない方が多いようだ。サラ金では高利が響き、法改正で借り主に返還ということなのだが、信販系や銀行では金利が安いので、過払い金の戻りはほとんど無いに等しい。手数料は無料で、戻ってきたら何割か引かれる。自己破産は借金が全部チャラになるのだが、お金の計算が伴う職業には就けない。住宅も失う。新たな住居の心配もしなければならない。その点、民事再生では住宅ローンを返済しながら、500万円の債務までなら100万円を三年間で完済することになる。両者とも官報には載るけれども、心配はいらない。ただ、無料というわけにはいかない。自己破産でも、弁護士事務所には50万は払わなければならないし、三年間は通帳も貯金も全て管財人に管理される。民事再生は、司法書士事務所に40万円ほど、民事再生委員(弁護士)に20万円は払わなければならない。自己破産だけは絶対するなといいたい。社会的参加から逸脱した見方をされるだろうし、周りからも冷たい視線を送られる。住宅ローンは絶対減額できないことになっている。最低限の社会的責任を取らされるが、首の皮一枚普通の生活を送ることができるのが、民事再生のおおきなメリットといえる。減額されても100万円の返済は高すぎることはないだろう。例えば500万円が100万円になった場合、400万円を新たに借りる計算(実際には貯金)になるのだから。国の特例法案なので、どうどうと使えばいのだ。司法書士事務所に相談に行ったとすると、自己破産か民事再生債務整理かの判断をしてくれる。それまで払っていた返済は、出来る範囲で司法書士事務所で毎月ストックし、裁判所の民事再生案が認可されるまで一年はかかるからある程度、経費は捻出できるはずだ。残りは、三年間の返済で分割化だ。くれぐれもタダでは手続きできないを良く覚えておこう。民事再生のメリットの大きさがわかると思う。

 

 

 

第八章 「学生ローンと自己破産」

 

 日本では奨学金の返済滞納問題が取り沙汰されているが、 米国ではおよそ4,000万人以上もの方が、 日本円にして約400万円以上の学生ローン返済に苦しんでいる。一億円もの学生ローンを組んだケースも多いと聞く。 ブッシュ政権では、自己破産しても学生ローンだけは免除できない法案が可決した。 リーマンショックの後でも、 いま自動車のサブプライムローン不良債権が激増していて、 それに多額の学生ローンが重くのしかかる二重の苦しみが顕著になっている。 日本では自己破産すれば、チャラになるけれども米国ではそうならない。 年間の授業料が400万円で4年で2,000万円、 それに教材費とかクラブとか生活費も入れれば、 総額3,000万もあり得る。そう言う方が40万、50万人もいる。 日本では来年あたり返済猶予の期限があり、10万人の自己破産が予測されている。そして2019年秋には消費税が上がった。この先どうなるんだろうか。 私が通った昔の美大は当時年間の授業料が30万円ほどで、 ヌードモデル(アトリエ)でも一日2万円だったので軽く払えた。 その他のアルバイトでも十分稼げて払えたんだけれど、いまではとても追いつけない。 国の救済が急がれる。 国内でも、大学・大学院をすべて奨学金で済ませるとなると、1,000万円はかかる。 無利子で年間50万円返済でも、20年は覚悟しなければならない。 結婚式の費用・教育費・30年もの住宅ローン、生活費・税金など、 いやがおうにも必要となる。老後の資金も必要だ。 おまけに正社員・正職員にもなれず、 生涯、非正規社員・職員だったら手取り20万円で生活しなければならず、 多重債務になるのは避けられない。 アベノミクスで日本の経済は好循環が約束されたが、 5年待ってもその兆しは見えないどころか、 闇に葬られ、弱者だけが路頭に迷う現実が待っている。

 

 

 

第九章 「サービサー法のカラクリを知る」

 

 だれでも借金が返せなくなった時のストレスは相当なものになる。自殺に陥ったり、安易な自己破産に走るのは、心情的には察するに余りあるが、とてもお奨めするわけにはいかない。思わぬ病気や事故で亡くなるのは致し方ないが、自殺だけは辞めておくべきだ。なぜなら、残された家族にとって更なる悲劇が押し寄せるかもしれないからだ。当事者が亡くなれば、確かに住宅ローンは団体信用保証金を払い残りのローン、残された家族の生活の維持のために帳消しにされるが、他の公的なローンや民間のローンは、後世に引き継がれることになる。奨学金の返済滞納問題がクローズアップされてはいるが、これとて親や親戚が保証人となっている場合、借りた本人が亡くなっても、督促状は未来永劫送られてくる。だから、死んでお詫びを、というきれい事は通用しないのだ。死んでも借財の責任は残された者に引き継がれる。だから、生きている内に自分の借財処理は自己責任で進めるしかない。自己破産をすれば全部借金がチャラになり、丸裸の状態になる。住むところや制限される就職の職種にも気を揉まなければならない。お金に関する業務は全て禁止される。それが5年間続くのだ。独身で若い内はいいだろうが、中高年者にはとてもやってはいけないだろう。借金がチャラになる反面、社会的制裁が重くのしかかるのは仕方がない。受け入れるしかない。しかし民事再生適用ならまだ救われる。国の救済措置としての特例法案なのだから、生々堂々と利用すればいいのだ。ただし、誠意と節度をもって努力していく姿勢はなくてはならない。自己破産のように借金が全部チャラなるわけではなく、借金の減額返済ということになるから、家族を合わせた収入で返済はしていかなくてはならない。たとえば住宅ローンを払い続けながら(自己破産とは違い住宅は手放さずに済む)、民間で500万円の多重債務なら、司法書士事務所を介して債権者と交渉し裁判所と民事再生委員(裁判所が指定する弁護士)とタイアップして、基本的は100万円を三年間で完済すれば、400万円は減免されるという制度だ。利用しない手は無いはずだ。民事再生では、債権者が減額を求めなくても裁判所で強制的に減免させる、給与所得者再生手続きと、債権者が減額を認める小規模個人再生手続きがある。前者は、裁判所で強制的に減免させるので、用意する書類は膨大になる。後者は司法書士事務所が債権者と交渉を行い減免してもらうので、書類は簡素なものになる。借財で首が回らなく状況を確認したら、知っておくべきことがある。知っていても損はない。信販やクレジットカード会社、銀行カードローンで延滞を長引かせるとどうなるか。銀行なら傘下に治めた元消費者金融会社を保証会社扱いにし、債権回収機構としての業務を委託する。借財の3%から5%という不良債権を売り渡し、銀行側借財との差額は無税となる(以前は贈与税の扱いだったが無税になった)。それをサービサー法といわれる。債権回収機構側は、100万円の不良債権を銀行側から3万円から5万円で譲りうける。機構側は執拗に借り手側に100万円の回収の旨を言い渡し、無理をして100万円を返済するケースがある。それは辞めるべきだし、する必要もない。借り手側は何も知らないからそうするのだろうが、サービサー法を知る知らないでは天と地の差がある。肝に銘じるべきだ。

 

 

 

 第十章 「完済までの道のりと教訓」

 

■和解内容一覧(→和解金額・民事再生計画返済額)

A社 556,846円→131,026(▼420,000)

B社 724,214円→170,408(▼550,000)

C社 2,353,177円→553,703(▼1,800,000)

D社 615,702円→144,875(▼410,000)

合計 4,249,939円→1,00,012円<▼3,250,000円の減額>(三十六回均等返済)

・着手金 21,000円

・成功報酬 31,500円

民事再生報酬 432,000円

・裁判所予納金(再生委員費用・弁護士)212,268円

司法書士事務所預かり金 142,703円(A)

  • 和解返済金 650,000円(B)
  • 司法書士事務所と弁護士費用に充当
  • 一回目から三十六回目まで毎月司法書士事務所に振り込み

・32,120円(振込手数料込み)※総額1,150,000円

(2020年完済)

 

<教訓十箇条>

  • 家族に内緒にとか秘密とかは民事再生では御法度。資料提出は家族の協力が不可欠。
  • 多重債務では一人で悩まずにオープンにすべし。
  • (A)+(B)で諸費用はまかなえるので、司法書士事務所で相談すること。
  • 返済期間は一日の小遣い300円生活をするくらいの覚悟で自分を律するべし。
  • リボルビング払いは転落への道。ローンは必ず元利均等払いにすること。
  • 借りたお金は「借りたお金で金は返すな」が鉄則だ。それが自転車操業となり、必ず破綻を迎える。
  • 自己破産は必ず回避せよ。司法書士事務所との連携を強化せよ。
  • 民事再生(個人再生)という国の特例を利用せよ。
  • 官報掲載は気にするな。
  • ブラックリストは全く気にしない。