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1587<道満丸景虎と小姓の戯言>(天正戦国小姓の令和見聞録)HB

人類の歴史を戦国の小姓の視点で深く追究していきます。

「水原一平殿の窃盗詐欺事件に関する陪審員八人の考察」

<道満丸景虎と小姓の戯言0217>episode217,season3

天正戦国小姓の令和見聞録)

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春日山城、鳴海幕府(開府1587年)

お屋形様:上杉道満丸景虎

見聞録及び戯言検め:小姓 仁科源太

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天正四百五十二年 四月十七日

 

「水原一平殿の窃盗詐欺事件に関する陪審員八人の考察」

 

 MLBでは選手や関係者の不祥事には管理責任もござるが、公正な判断で直視する義務があるゆえ、法廷での手続きや法廷の陪審員の評決には敏感にならざるを得ない。全世界でおよそ三百兆円ものスポーツ賭博(合法・違法合わせて)の市場性が認められMLBではスポンサーとしてスポーツ賭博業者と連携を模索しているから、やっかいになっておるのじゃ。全米50州の内38州がスポーツ賭博を容認しており、さらに拡大しようとしておる。財政的なメリットを重視するのは良いが、ギャンブル依存症がおこることで業界が成り立っていることも事実でござる。

 水原殿は他人の口座で賭け金を送金し、賭けで儲けた金子は全て自分の口座にしまい込んでおったと言うではないか。大谷殿の口座を四人もの会計の管理体制でしっかり固めても突破されたのは誰もが合点がいかぬ。水原殿が通訳の立場を利用して十回近くも高額の送金が出来たのはどう見ても謎でござる。当初はこれには裏があると疑われるのも無理はない。憶測や誹謗中傷が起こりえる温床にもなる。致し方ござらぬ。本人の完全なる確認を義務づけられているにも関わらず、水原殿が声帯模写でそこまで可能であるならば明らかに銀行側の失態でござる。そこで、拙者や其方達がもしその陪審員に選ばれたらどう対処するかを考えて見たい。なお、裁判官へは陪審員全員一致が条件となるのが基本でござる。其方らへ付け加えて申しておくが、情報不足による早まった憶測や推測は非にあらず。嘆くことでもあるまい。謝罪も必要ござらぬ。間違っていたとしても一度見識を露呈したからには貫き通すのが武士というものなのじゃ。疑わしきは罰するというのがメディアの常識ではあっても、事実と経緯が認められて初めて周知される故、間違った見方や判断も一過性のものに過ぎぬ。例えば水原殿がギャンブル依存症を公表後、失踪したり他界したりしていた場合は、事の真実は闇の中に葬られ、大谷殿が無実であっても矛先は彼に向かっていただろう。銀行側が代理人に本人よりも強い権限とセキュリティ突破の機会を与えたのが最大の原因だと言う者も多かろう。現実的に預金者は銀行にそのような事態が起こらないという安心感が絶対的にあることも忘れてはならぬ。水原殿が自白したからこそ大谷殿の潔白が確認されたということじゃ。それ故、情報が少ない時は憶測か推理で物事を考えるしかない。時には決めつけておる者もおったかもしれぬ。だからといって、事の真相が判明した後に、憶測での発言を批判するのは自由じゃが、全て正しいとは言えぬ。憶測で物を言うのは正しいかどうかはわからぬ。真実が闇の中に葬られた場合は憶測や推理は存在するのでござる。間違った考えが例え真実に負けたとしても恥じることはない。憶測の自由、推理の自由、表現の自由は守らねばならぬ。真実には勝てぬであろうが。真相は法廷で明らかになるのだから、後追いで容認すればよいだけの話じゃからでござる。

 

陪審員Aの評決(銀座高級クラブのママ)

 

 大谷君は白だと信じているけれど、黒になった水原君の犯罪環境を提供した事と公私の全てを金銭的にも通訳任せという脇の甘さは反省して貰わないとね。大谷君自身数年間も銀行口座で最確認されなかったと言うじゃない。ほんとなのかしら。確定申告は会計士を通してやっているはずだから、口座の残高くらい一年に一回ぐらいはすると思うのよね。いくらお金に無頓着でも。会社設立では不動産業も入っているらしいじゃない。だからそう無頓着でもないんじゃないかな。みんなも思っていることだけど、あたしが腑に落ちないのは、銀行側が何度も高額な送金を目にしているにも関わらず、完全な本人チェックを怠ったことよ。いくら水原君がものまねで声を真似てスルー出来たとしてもよ。九回よ、九回もよ。代理人も会計担当も日本語が話せない。彼らもうまく水原君にかわされてどうしようもないわね。まったくなさけないわ。これぞ通訳の役得ってとこよね。二十四億円、あたしだって喉から手が出るほど欲しいわ。コロナでお店の経営も逼迫して従業員がみんな辞めてしまったわ。銀行からの借金も人には言えないくらい溜まってるの。大谷君肩代わりしてくれないかしらね。そういうの不謹慎よねやっぱり。でもね、連邦検事さんがおっしゃるには、水原君が2018年にMLBに移籍して以来七年間も、大谷君の口座から博打の賭け金を送金して、賭けに勝ったお金は全部自分の口座に振り込ませたのは余りにも酷い話。大谷君はまさにATM扱いという存在だったというわけね。大谷君の会計管理はネズ・バレロ代理人をはじめ経理担当・財務マネージャー・会計士・個人ブランドマネージャーなど四人の管理口座のチェックを必要としていたわけだけど、水原君の窃盗には誰も気づかなかったのは謎だわね。口座へのアクセスは彼らだけに任せていたと大谷君は言っている。他人のアクセス突破は一般庶民にはあり得ないし考えられない。大谷君には非はないものの、何年も自分自身の口座の再確認を怠った今回の事件の呼び水にもなっている。MLB機構の関係者の事件再発防止への教訓にもなるわよね。禁固30年では軽すぎる。連邦での裁判と州の裁判もあるんでしょ。100年でも短い気がするわ。

 

陪審員Bの評決(憶測小説家)

 

 三月二十日あたりだったかな、水原君がEPSNの取材を受けて大谷君が借金の肩代わりを受諾して、説教しながら自分のパソコンで入力し違法賭博の胴元に送金してくれたと言っていたが、一夜明けて大谷君とホテルで会って説明をしたとある。その後球団側から待ったが入り、前言を撤回している。大谷君は弁護人を同席させて水原君を問い詰めた。水原君が追い詰められて嘘をついていたことになる。水原君が前言通りの借金の肩代わりを執拗に大谷君に嘆願したようだが、当然ながら拒否をされた。水原君は行方が分からなくなった。数日後の二十六日、大谷君が質疑応答ナシの記者会見をし身の潔白を表明している。この報道の有様では誰もが疑心暗鬼になるのは当然だった。TVのコメンテーターは大谷嘘つき発言や水原君への責任転嫁説とかが華々しく論じられていたんだが、情報が錯乱していて外野ではちっともわからん。ユーチューバーやアンチ大谷は水原くんの擁護発言をするのも致し方ないか。水原君の白状しか証拠を探る術がなかったんだから。しかし決めつけるのには抵抗があったな。永年大谷君と水原君は公私を共に過ごしているから、大谷君が何らかの手助けをしても不思議ではない。誰でもそう思うだろう。日本のIR戦略ではこのような追い詰められた者が、善悪の判断を捨て目先の利己的な行動を起こすというデメリットが余りにも多いことに皆気づくべきである。

 

陪審員Cの評決(関西お笑い芸人)

 

 大谷はんはほんま大変やね。長いこと相方に身の回りの全てをやってもらわな仕事がはかどらないって言ってますんやろ。そりゃそうでっせ。わての相方は性格が正反対でそりゃもう、重箱の隅を突っつくばかりでは気に食わんと、お隣りはんのものまでご飯粒の余りを探す、そりゃもう、几帳面を絵に描いたヤツでんねん。そやから、金のことには嘘をつかへんのだす。わてと違って人情や品格も学もある。相方にはもったいないんです。売れないときでも金の工面は命がけでやってくれる良いやつでんねん。そいつもつい最近他界しましてな、わてはお呼びがかかってくるのを何時も楽しみにしてますねん。水原どんは他人の金子を声帯模写で銀行を欺し、代理人までスルーしたのはいただけまへんな。三十年間八十代まで塀の中でムショ仲間と博打でもして為され。窮すれば人間は何をやってもかましませんなどと誰がいいますか。汗水流して初めて金子の有り難みが分かりますねん。

 

陪審員Dの評決(元政治家)

 

 水原殿には言いにくいが、窃盗・横領・裏金のキックバックはいかんよ。違法賭博ならなおさらじゃ。代議士は弁士と言われるが今では野党も与党もみな詭弁士におなっておる。全て黒塗りの開示やご飯論法などを見てもわかるであろう。アベノミクスの三本の矢ははじめから折れており、円安の流れが止まらぬ。2020と東京五輪などはイスタンブール禅譲すべきだった。昭和天皇円高傾向は国の基盤だと良くおっしゃられていた。このまま円安が続けば中国の下請け国となるとテレビでは言っておった。成長戦略は嘘であったが、それは野球界にも広がっておる。余りに高額契約になりすぎたMLBの成長戦略は見直しが必要だ。水原賭博亜窃盗事件は、選手が野球に専念しすぎて生活の経済基盤も全て人任せでは、足下をすくわれるという教訓にもなったであろう。通訳の代行こそAIにしてはどうか。

 

陪審員Eの評決(薩摩の偉人)

 

 人を欺したり貶したりするのは天道に背くことでごわす。おいどんは、そげな人間は好かんたい。武士は人の道に外れたら腹をかっきるか仏門にはいるか覚悟を決めなあかんたい。

 

陪審員Fの評決(海援隊の主)

 

 あっしはフリーメーソンのメンバーじゃったが、伴天連人に欺されまいと語学にはめっぽう力をいれておったきに、武器商人からは一目置かれおった。大谷殿は野球しながら語学も身につけとったら、足下を見られずに済んだとよ。野球にも船中八策は頭に入れたらええ。頑張ってくれや。

 

陪審員Gの評決(戦国武将)

 

 あるか。野球の天地人はそうやすやすと苦難に流される者ではござらぬ。策略で人から殺められると察したらとにかく電光石火で桶狭間じゃ。人を知り己を知れば百戦危うしからずなのじゃ。

 

陪審員Hの評決(新撰組副長)

 

 黒船の故郷では日の本の言葉仲介人が悪事を働き、武芸博打で人様の金子を使い果たして無心を繰り返しておると聞いているが、まこと許せぬ。この兼定の名刀で切り捨ててくれるわ。日の本の野球武士が言葉仲介人と暗愚色サクソンの悪党どもの餌食にされておる。その言葉仲介人やらを五稜郭まで連れ戻し名誉ある切腹を与えるべきである。リハビリなどはもはや無用じゃ。

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