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1587<道満丸景虎と小姓の戯言>(天正戦国小姓の令和見聞録)HB

人類の歴史を戦国の小姓の視点で深く追究していきます。

れいわ旋風ステルス票の行方。

令和新撰組が寄付金3億円を突破したそうだが、あと一億円あれば、全国紙に十五段広告を打つことができる。2016年、米国大統領選挙ではヒラリー候補が99%勝利するとマスメディアは大々的に報道していたが、「かくれトランプ票」がどんどん出てきたので、トランプ候補の逆転勝利につながった。米国で起きたことは、2,3年後に日本でも起きるという歴史的経緯もある。まだ政党ではない「れいわ新撰組」は政権は取れないが、「隠れれいわ票」で思わぬ票を獲得する公算は大であるとみている。

 

「安倍官邸の誤算と風雲永田城」

 7月4日に選挙の公示があった。この日はアメリカ合衆国独立記念日だが、同時にネイティブインディアンの敗北という怨念日でもある。人間社会の基本には時の勝敗というのは運というものが必ず存在する。有史以来の人類は殺戮と共生、防衛と攻撃という歴史的事実の連鎖が今日でも続いている。Win-Winの関係があるということは、敗者同士の関係構築もあるということだ。ギャンブルでも将棋やチェスでも株の売買の勝負事でも、敗者が存在しなければ勝者は存在しない。勝ち組同士が結託することによりその陣営はさらなる欲求を増やしていく。そうすると、敗者連合はさらなる谷底へ追いやられることになる。しかし、いったん、深い崖下でどん底を味わった敗者連合は結束して谷底をよじ登り、勝者連合の壊滅を目指してなりふり構わず、退路を断った覚悟で戦いに望むから、成功する可能性がある。人類はその繰り返しだった。500年前に大航海時代という時期があったが、これはアングロサクソン(欧州)文化からの見立てであり、北米・南米・アフリカ・豪州などではすでに独自の文明を築いており、列強の植民地政策が今日の不安定な政局や経済の起因ともなった。イギリスが麻薬を用いて清朝を壊滅した事実は消え去ることはない。列強の真似をして植民地政策を断行してしまった日本の行為も歴史から消えることはない。1945年設立の国際連合憲章では、日独伊三国の敵国条項をもうけ、常任理事国の核の所有を認めそれ以外は認めないという荒技にでた。当然新興国では国家の存続と外交的な有利性から核の所有を欲するのは自然の成り行きでもある。だからといって、個人的には核の拡散は認めることはできないが。今の日本の政は、米国の傀儡を招いていて、たとえは悪いが娼婦のように何でも顧客の要望に応じる危険な状況にある。このままでは国は滅びる。原子力政策ひとつとっても、処理済みのプルトニウムの行き場がなく、5000発(五十トン)の核弾頭も可能な域になる。だからIAEAは日々監視を怠らないわけだ。日米安保地位協定原子力協定をすべて破棄したとき、日本は常任理事国側から一斉攻撃を受けてもおかしくない。日本はアイデンティティを主張し国の存在を主張し続けなければならない。米国偏重のまつりごとは実に危険で、ホルムズ海峡での有志連合に加勢するという愚挙にでたら、イランとの国交は断絶しなければならないこととなる。米国関係での整合性がなくなるからだ。今回の参議院改正選挙では公示当初、マスメディアの官邸忖度記事としかしいようがない、自公大勝利という世論調査を発表した。だが投票日が近づくにつれ、その勢いは崩れつつある。無党派層の怒りは、野党連合とれいわ新撰組の躍進に心が傾いている。消費税増税と年金への不安はに増しに強くなっている。7月21日は永田城の落城のきっかけになるかもしれない。

「マスメディアの与党有利プロパガンダに騙されないために」

 参議院選挙公示が7月4日であるにもかかわらず、大手の新聞社は序盤の選挙情勢をいち早く報道をしていたが、与党が改選前の過半数を超えるどころか、あたかも大勝利をしたかのような官邸忖度記事が目立っていた。選挙中での世論を形成するに等しいあまりにも身勝手な根拠のない報道としか言いようがない。ほとんどの有権者にはそう見ていたに違いない。前回の衆議院選挙でも大手の新聞社やテレビは選挙情勢が与党有利の記事を書いていた。10月の消費税増税が迫っているが、どうして新聞が軽減税率の適用なのだろうかと世論は疑問視している。新聞社はテレビ局を傘下に置いているので、マスメディアの報道には気をつけた方がいい。以前は小泉進次郎氏が新聞への軽減税率適用は論外だと言い放ってはいたものの、今では閉口しているし、参議院議員の定数増にも賛成に回っている。保身とポストがほしいという気持ちはわからないでもないが、あまりにもこの変身ぶりには辟易している人は多い。かつて進次郎ブームが沸き起こったが、今では見る影もない。それに代わって台頭してきたのが、山本太郎氏率いる「れいわ新撰組」だ。4月の立ち上げ時点では泡沫候補でマスメディアは相手にしていなかった。ところが、年金問題や消費税など生活への不安が日に日に増大していった。担当政権の金融庁報告書のもみ消しという異例の事態もかさなって、全くぶれない山本氏の姿勢に共感する人々が増殖しているようだ。投票日直前までこの勢いは増していくのだろう。だから、政権に都合のよい記事しか出さないマスメディアの報道は真に受けない方がいい、有権者はたまにはじっくりと自考して投票の決断をする勇気はあってもいい。与党に票を与え過ぎたために、世の中の歯車がおかしくなった事例はいくらでもあることを思い出した方も多いことだろう。議会制民主主義は選挙で投票行為をすることが大前提にある。

 

「2019年参議院選挙の潮流を吟味する」

 年金2000万円問題や金融庁の報告書のもみ消し、不公平税制、消費税増税の是非、担当政権の内外における姿勢のあり方、不安を煽る政府官邸のあり方、弱者や困窮者への配慮のなさ、東日本震災や全国の自然災害で非難された方々への救済の粗野など難題続きの状況での参議院改選選挙のまっただ中だが、公職選挙法の抵触しない範囲であえて、公平無私の評論を述べることとする。

 2008年のリーマンショック時で、民主党指名選挙で本命のヒラリー候補を破りオバマが立候補することになった。結果は共和党マケインを大差で破り、黒人初の米国大統領となった。上院議員時代は泡沫候補だったが、あれよあれよいう間に大統領になってしまった。幾多の選挙では既存の候補が有利に見えるけれども、時代を反映した世論の動向は大きな影響を与えるものだ。オバマ大統領は「核なき世界」という演説だけでノーベル平和賞を受賞したが、いま考えるとそれは間違った選考と考えるべきだろうと思っている。なぜなら、実績もないのに論文や演説だけで評価すること自体、不自然な気がしたからだ。政治家はやはり実績が大事であり、歴史に残る偉業をなしえてこそその価値に値することは言わずものがなである。オバマ政権二期八年はいささか長過ぎた。世界の指導者的役割が立ち位置の米国の大統領らしからぬ立ち振る舞いで、真偽は不明ながらビン・ラディン殺害のことだけが記憶に残っている。核なき世界を唱えながら、2015年に自国では新たな核開発予算を今後30年で120兆円を組む姿勢は、矛盾に満ちたものとなった。2016年トランプ氏がヒラリー候補を破り、現在に至ってはいるが、民主党共和党も利害は一致しているので日本としては気にする必要はない。だからといって、日本のトップリーダーが、アイデンティティのない施策をしてもいいと言うわけにはいかない。安倍氏はそこを完全に取り間違えた前例を作ってしまった。個人的な趣味(ゴルフ)と真剣な外交交渉は全く違うものだ。担当政権には日本のリーダーを担う人材がいないというが、実は全くの逆で、いくらでもいることを忘れていけない。以前は小泉信次郎氏を未来の総理候補と期待をしていたが、いまでは保身と組織への帰属意識と初心の忘却が彼の致命的な欠陥と表れている。自民党をぶっ潰すと彼の父は言い放ったが、実は自分の派閥以外はぶっ潰すというレベルでしかなかったことをわすれてはいけない。進次郎氏には若い頃の安倍晋三氏によく似ていると、田中真紀子さんはいっていた。おそらくそうなる可能性は高いだろう。自由民主党は前政権の決められない民主党を解散に追い込み、権力を奪還したが、都合よく勝手に決める政権になってしまった。金融庁の2000万円不足報告書の取り扱いに難をしめし、なかったこととすると言い出した。併せて、厚生労働省の年金財政診断の公表を参議院選挙後までしないという荒技にでてしまっている。国民の大半は、老後の年金問題で頭がいっぱいだろうと思う。基本的に無党派層である自分の人生設計にも大きな不安が増大している。共産党の小池議員の国会での安倍総理とのやりとりの動画が500万回再生となっている。日頃は共産党とは縁がないが、今回に限ってお仕置きとして一考と考える自民党支持者は多いだろうと予測する。公明党はいつもの歯切れがない。自民党の脇役である限り権力の側にたつことができる。それが彼らの本来の使命とは思えないが。立憲民主党は、国民民主党とともに、小池の乱で、行き場の失った議員たちの破れかぶれの党の立ち上げという経緯を忘れてはいけない。そういう意味では、小池百合子氏は旧民主党を解体した功労者として、二階氏の信認はいまでも厚い。だから、有権者の目は、反担当政権にあるが、どこに投票すればいいか迷っているはずだ。山本太郎率いる令和新撰組が今回の台風の目になりそうだ。特別枠に二人を優先的に擁立させ、山本氏は有利な選挙区から出ずに比例で出るという。常識的には落選もあり得るだろうが、4000万無党派層の心は彼に傾きつつある。選挙の結果はわからないが、無名だった2008年のオバマのような存在になるか見物である。

 

 

Behind the story 2020tokyoを書き終えて。

足かけ5年の長い連載でしたが、360枚相当の原稿量になりました。(約143,000字)
推敲と加筆・訂正後、折を見て公開いたします。
主な内容は以下の通りです。

 

<タイトル>

Behind the Story 2020tokyo「はい、こちら2020東京五輪

 

<目次>

■第一章 「透明慕情(プロローグ)」(2015)
その一~その四

■第二章 「2020東京オリンピック開催決定」
その一~その七

■第三章 「1940-2020 歴史は繰り返す」
その一~その八

■第四章 「雨降って地固まる」(2016 )
その一~その四

■第五章 「新たな始まり」
その一~その九

■第六章 「女性新都知事誕生」
その一~その五

■第七章 「豊洲・五輪・利権トライアングル」
その一~その六

■第八章 「新たなる未知へ」(2017)
その一~その六

■第九章 「風雲急ニッポン」
その一~その五

■第十章 「パリ、そしてロスアンゼルス
その一~その五

■第十一章 「2018年への期待」(2018)
その一~その七

■第十二章 「2020の難問と課題」
その一~その五

■第十三章 「試金石の日本のスポーツ精神」
その一~その七

■第十四章 「混迷のオリンピック前夜」(2019)
その一~その八

■第十五章 「不透明な未来」
その一~その四

■第十六章 「令和時代の未来図」(最終章)
その一~その六


<登場人物>

・中山正輝
・妻:恵理子(野猿系)
・長女:千鶴(野猿系)
・同僚:船橋君(イケメン系:代表権のないくろくま広告社社長)
船橋君の妻:美智子夫人(ハイソ系:くろくま広告社会長<実質的な経営者>)
船橋君の娘:絶世の美女:みどり君
・銀座マネキン嬢(昼は銀座通りのマネキン嬢、夜は銀座のサロン嬢)
安土城天守閣での時空を超えた歴史上の人物の面々。
・後輩:安藤(アートディレクター:今東光似の毒舌家)
・くろくま広告社元会長:広瀬弘文(美智子夫人の父)
・銀座の若旦那衆他
霞ヶ関官僚、国会議員、世界の要人他

 

 

「光の追憶」(※無断転載禁止)

 

 

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「光の追憶」

 


次女の夏子がようやく成人式を迎えた。夏子が生まれたのは僕がまだ十五歳になったばかりの頃である。僕の兄とは十二歳も離れていた。兄が佐和子さんと結婚し、挙式の翌月には長女の明子が誕生している。その一年後に夏子が生まれた。その時、夏子はまだ僕の姪であった。今では戸籍上僕の次女である。あれからもう二十年の歳月が流れた。
 佐和子さんの容体は、依然予断を許さない。悪性の腫瘍が全身に転移している。二年前、僕は佐和子さんの乳房にしこりを感じた。検診時は二センチほどのごく初期の乳ガンだった。それから何ヵ月が過ぎ、腫瘍の塊が急に肥大化していた。放射線治療では、しばらくは良くなったかのように見えた。担当医師からは温存か切除か判断を迫られた。塊が五センチとなったときである。医師には切除を促された。佐和子さんは自慢の胸を失うのは死に等しい、と僕に言う。僕も愛しい彼女の胸が、この世から姿を消されるのには抵抗があった。僕は女の裸体を描くのが仕事である。絵のモデルは佐和子さんがほとんどである。だから、彼女の体の一部がなくなるのは耐えられない。佐和子さんの深い胸の谷間は僕の命でもあるのだ。放射線による温存療法ということで奥たちの意見は一致した。だが、理想とは裏腹に経過は最悪の状況になっていた。ガンの転移が進行し始めたからである。一年前の担当女医からは余命半年ということだった。その半年が一年を迎えた。夏子の晴れ姿には間に合った。だが、一寸先は分からない。佐和子さんは、元気そうに振る舞っている。とにかく明るいのである。明日の事なんか分からないし、悩んでもむだでしょ。一分一秒が大事。元気を出しなさい、と佐和子さんはしきりに言う。家族の僕たちが反対に病人のように見える。開き直った柔らかな笑顔。その笑顔の裏側には恐怖の海が待ちかまえているのだろう。僕にはそう感じる。今では、これでも僕は佐和子さんの二代目の夫なのである。佐和子さんには、頼りなさそうに見えるのだろうが、彼女への想いはずっと変わっていない。
兄は明子が生後三ヶ月を迎えた頃、原因不明の突然死で亡くなる。夏子や明子は父の温もりを知らないまま、青春を通り過ごしていた。まだ若干二十七歳という夫の死に、佐和子さんは半狂乱に陥っていた。僕は彼女が自分を見失っているようにみえた。佐和子さんはまだ二十五歳になったばかりであった。僕はそんな佐和子さんが気の毒に思い、子供ながらにも必死に言葉で慰めてもみた。だが一向に埒があかない。それもそのはずで、僕自信も動揺していたからである。佐和子さんには、少しも慰めにもならない。
僕は気が沈みがちになっていった。佐和子さんはそんな僕を見て、けなげに思ったのだろう。僕は逆に慰められてしまう。単純無垢な少年でも、彼女にとっては、一途な気持ちが嬉しかったに違いない。日が経つにつれ、僕と佐和子さんは姉弟のように気持ちが通じ合えるようになっていた。初七日が過ぎた辺りからそれが顕著にあらわれる。佐和子さんは時折、僕へ熱い視線を送るようになる。その妖艶な眼差しは生前の兄を見つめる目と同じであった。そのとき、まだ僕はそれがどういう意味合いかは知る由もない。
佐和子さんは、たぶん兄の風貌と良く似た僕に、以前から好意を寄せていたのだろう。佐和子さんはしばらく未亡人のまま、僕と二人の姉妹を育てていた。兄の死後五年間は生命保険金や、佐和子さんの実家からの援助で、かろうじて生活は凌いでいた。佐和子さんの実家は秋田市内にある。老舗の大きな旅館で、彼女は女将として采配をふるうはずであった。大学時代の佐和子さんの友人が、内緒で佐和子さんを広告代理店に推薦したという。佐和子さんはイメージガールに抜擢されてしまう。彼女はミスキャンパスにもなったほどである。だからプロ受けはする。その容姿は二人の出産を経ても、ずっと変わっていない。その時兄はオーディションの担当であった。それ以来兄は佐和子さんと関係を持つようになった。
吉祥寺南町のマンションは、兄の死亡時点でローンの支払いはなくなっていた。マンション購入時に、団体生命保険の保証料を一括で支払っていたからである。兄の生命保険金は潤沢ではなかった。僕は美術学校に入学してからは、果敢にアルバイトにも精を出した。僕は佐和子さんへの負担を減らそうと懸命だった。兄と佐和子さんへの、恩返しの気持ちも働いていたからである。在学中に運よく絵の新人賞を手にした。それ以来、僕は画業に励むようになった。
兄が大学を卒業すると同時に僕の両親は、交通事故で他界していた。家は西荻窪の借家だった。両親が残してくれた財産は、微々たるものだった。兄は借家の権利を売り、僅かだが立退き料を手にしていた。そして、兄と僕は近くのアパートでしばらく暮らしていた。兄は広告会社に就職した。入社三年目を過ぎてマンションを購入していた。九十年代のバブルの頃の物件だから、金利も毎月の支払いも高い。たしか頭金はなかったはずである。銀行からの強引な貸付が、後を絶たなかった時代である。人々はマネーゲーム感覚で動いていた。周りでは不動産や株の取引が、盛んにおこなわれていた時でもある。マンションに入居して一年が過ぎたころ、佐和子さんと兄は一緒になり、同時に子供も産まれた。僕を含めた団欒の日々は、三ヵ月というごく短いものとなった。
兄は亡くなる前の日まで、激しく佐和子さんと愛し合っていた。夜の夫婦生活は、僕の部屋からは筒抜けだった。二人の発する夜の声は僕には耳障りであった。それまで大人の夜の行為は、一体どういうものなのか、女の白い体はどうなっているのか、僕はよく分からないまま過ごしていた。僕はいつも気になっていたのである。この頃、僕はまだ童貞だから仕方がない。女への関心が深まったのは、二人の夫婦生活を知ってからである。
 ある夜、寝室での叫び声を聞いて、僕は二人の具合でも悪いのかと心配になっていた。
僕は二人が本当に病気だと思い込んでいた。条件反射かどうか分からないが、とうとう兄の寝室に押し入ってしまった。その時兄と佐和子さんはあらわなままでいた。佐和子さんは、白い胸を揺らしながら仰向けに寝ている。幹夫さん、幹夫さん、と佐和子さんは叫んでいた。陶酔した彼女の顔をみて、僕は不思議な感覚を抱いた。それまで抱いた事のない女の世界があった。彼女の汗がベッドのシーツに沈んでいた。佐和子さんと僕の目が微妙に合ってしまう。僕は近くまで忍び寄った。兄は目を瞑りながら行為をしていたから、僕にはしばらく気づかなかった。兄は彼女の白い胸に顔を埋めている。佐和子さんの股間に激しく腰を押し付けていた。僕はその時、二人はアクメの最中だとはまったく判らなかった。目を瞑りながら、僕は立ちすくんでいるだけであった。兄が気づいて怖そうに僕を睨んでいた。
おい靖夫、見てんだよう、ガキのくるところじゃねえんだよ、早くでていけ、と兄に言われた。それまでいつも優しかった兄は、その日に限って冷淡であった。いつもの兄の顔ではなかった。佐和子さんが失神しているとき、僕は素っ裸の兄に激しく叱責されていた。僕は思いっきり顔を殴られた。そのあざはいまでも消えていない。心の痛みも。兄が亡くなる一週間前の事である。
佐和子さんはそのことは知らないはずである。殴られたのは部屋の外でもあったし、だいいち彼女は性行為の疲れで、安らかに眠っていたからである。兄はそれ以降、僕とはあまり口をきかなくなってしまった。兄は知らないところですっかり豹変してしまっていたのだ。兄はマリファナを常用するようになっていた。検視でそれが判った。二人の夜の行為は、僕が大人の雑誌に目を通すきっかけを作っていた。アクメという言葉を知ったのは、それから後になってからである。僕は男女に関する本を読み漁るようになっていた。だが、それは少年にとっては苦痛でもあった。女に関する情報をいくら頭に詰め込んでも、少年の想像力などたかが知れている。僕の貧弱なイメージだけでは限界だった。
明子が産まれて以来、佐和子さんは育児や二人の夫婦生活に疲れきっていた。兄が以前の女たちと、再び関係を結びだしたのである。彼女が妊娠してお腹が目立つようになってからだ。兄には佐和子さんが妊娠して以来、夫婦の関係を築けないもどかしさもあったのだろうと思う。結婚前はプレイボーイの名を欲しいままにしていた兄は、世帯を持つようになってからは生活は地味になっていた。僕には理想的なカップルに見えていた。だが、佐和子さんは兄の動向がいつも気になっていたようである。僕には時折、本音を吐いて憂さを晴らしていた。貞淑な佐和子さんにとっては、兄の浮気は許しがたい行為だったのである。
僕の想像だが、兄にとっては、出産間もない佐和子さんとの夫婦生活が出来ないもどかしさがあったのだと思う。僕は育児に懸命な佐和子さんが微笑ましく思っていた。兄への妻の役目どころではなかったらしい。兄は明子が生れる前から、家を空ける事が多くなった。毎月の給料も必要最低限しか渡さなくなっていた。それでも、佐和子さんは献身的に妻の努めを果たそうとしていた。二人の夜の行為は月に数える程度になった。
兄の初七日が終わり、僕は熱を出して寝込んでしまった。佐和子さんは明子の育児のかたわら、僕を看病してくれていた。風邪ではなかった。今想えば、生前の兄と佐和子への気遣いが、少し重荷になっていたのかもしれない。熱は三日三晩続いた。佐和子さんは、僕が風邪だと思い、子供に移るといけないわね、と言い、僕と添い寝をしていた。
僕には熱があったが、頭がぼんやりしている以外は、体の状態はは普通であった。僕に夢精があったのはこの頃である。寝込んでいる間、僕は佐和子さんと兄の光景が頭から離れない。僕が寝込んでいる間、しばらく明子には母乳ではなくて粉ミルクを与えていたらしい。よく覚えていないが、熱でうなっているいる時、僕の体に異変が起きたようである。夢だったかもしれない。僕の体が誰かと接触しているのである。佐和子さんなんのかどうかは、判別できない。体の中心が何かに吸い寄せられている。生温かいものに包まれていた。二つの白くて大きな膨らみが僕の顔を覆っていた。僕は、苦しい苦しいと言ったが、それは止むことはなかった。腰が重くなっていた。二つの膨らみの向こうに、女の顔がぼんやり見えていた。僕の口に何かが入った。誰かが水分を飲ませてくれているのだろう。これはやはり夢の中だと僕は思い込んでいた。佐和子さんは夏子が成人式を終えた後、他界した。遺書のなかには驚愕の事実が書き綴られていた。夏子の父親は・・・なんと私だったのだ。。。

 

I'll be back作戦

 ここでは、知人の実際にあった教訓を元に書いてはいるけれども、人ごとではない気がする。政府が認めているように老後で2000万円が足りないとなれば、人は誰でも考えることは同じで、老体に鞭を打って稼ぎに出るか、さもなくば誰からか不足分のお金を借りる状況に追いこまれる。多重債務で壁にぶち当たっている方、自己破産予備群の方、これから自己債務が増えて行く方、自己破産・民事再生債務整理について法的な手続きをする前に体験者に相談されたい方、借金でどうしようもなくなった方、など債務保持の前の自分に生還するための羅針盤となり、そして今後解決して行かれる方達のためになにかお役に立てないかという主旨で綴ります。借金苦から抜け出すには、いろいろな方法があるけれども、借金のために何度も金融機関から自転車操業で借りていくのは、全くの論外でそれまでの債務が減るどころか、ますます借財額が増え続けることになる。競馬やパチンコ・競艇・競輪・バカラなどのギャンブルで一山当てて返済しようとするのも論外。知人や親戚・勤務先からの無心も同じこと。
 つまり、どうやって、自己責任で誠意を持って努力して返済していくのが可能なのか考えなくてはならない。法的な手続きなしで、個人が返済できるのは、おそらく100万円くらいまでだろう。だから、公的な計らいで救済してくれる法律があるのだろう。借金して返済できないから安易に、自己破産・民事再生債務整理の手続きをするのは問題。返済のメドを立てられる状況を構築しながら、どうしても現時点では自己破産やむなしということなら、まず信用出来る司法書士事務所に相談すること。最初から弁護士事務所はお奨めできない。おそらく自己破産を薦められることでしょう。なぜなら自己破産の法廷手数料は高く、彼らの食い扶持であるからだ。
 多重債務に陥った場合、まずしなければならないのは、借りた金融機関への事前連絡と窮状の深刻さを涙ながらに手紙を出しておく。口頭だけでは、言った言わないという事にならないためにも、文書としてはっきり相手に示しておくべきだろう。事情を詳しく伝えて返済のリスケジュール案を提出する。そうすると、相手の担当者は同情心が生まれ、与えられた権限のなかで進めようとする。返せなくなった段階で唐突に言っても向こうは相手にしてくれない可能性はある。誠意をもって、頑張って返済していく姿勢はもたなければいけない。借りたお金は返さなければならないという社会通念ができているから信用貸しができているとうことを忘れてはいけない。借りたお金で返すという自転車操業は必ず破綻する。「てるみくらぶ」や「はれのひ」は資金がないので自転車操業を行い、そして破綻した。民事再生はそこから脱線してしまった現実であるから覚悟を決めて解決しなければならない。示談で債務の解決ができてしまうのならこれほどいい物はないけれども、現実的には難しいだろう。示談が成立しなくなった場合は、裁判所を介して解決するしかない。日頃から司法書士事務所と仲良くしておいたほうがいいと思う。

Behind the story 2020tokyo-16-5(追記版)

■「初めて読まれる方へ」■
・・・・・・小学生時代からの幼なじみである船橋君とは、偶然にも中堅の広告代理店の同期入社となる。その15年後、船橋君の長女みどり君は名門のプロテスタント中高一貫校の学生になり、彼女は深田恭子似の絶世の美女に育っていた。僕は美大で油彩を学び、船橋君は六大学の商学部で学んだ。みどり君と僕はピュアな慕情関係となってしまった。僕の娘千鶴もみどり君の学校で一緒だが仲は余り良くない。それから数年後、2020夏季五輪の開催が東京に決定。すでに都庁に就職していたみどり君は五輪準備委員会のメンバーとなった。だが、東京に決定したとは言え、問題が次から次と津波のように押し寄せる。2020東京は本当に大丈夫なのだろうかと、この目で追い続けるのは、時代の証言者としての責務でもある。開催までの出来事とフィクションでのエンターテインメント性を織り交ぜながら話を進めていきます。・:・・・・


★目次・進捗状況★
「はい、こちら2020東京五輪」(Behind the Story 2020tokyo)
<2015年~20208月の開催日まで継続予定です>
■[2015]第一章 透明慕情:その一~その四
■[2015]第二章 2020東京オリンピック開催決定:その一~その六
■[2015]第三章 1940-2020 歴史は繰り返す:その一~その八
■[2016」第四章から第七章
■[2017」第八章から第十章
■[2018」第十一章から第十三章
■[2019」第十四章から第十七章(進行中)
■[2020」第十八章から第二十章(予定)

<登場人物>

・僕:中山正輝
・僕の妻:恵理子(野猿系)
・僕の長女:千鶴(野猿系)
・同僚:船橋真吾(イケメン系:代表権のないくろくま広告社社長)
船橋くんの妻:美智子夫人(ハイソ系:くろくま広告社会長<実質的な経営者>)
船橋くんの娘:絶世の美女:みどり君
・銀座マネキン嬢(昼は銀座通りのマネキン嬢、夜は銀座のサロン嬢:ユキ、ナオミ、サトミ、ミキ他。全員国立大出身のインテリ)
安土城天守閣での時空を超えた歴史上の人物の面々。
美大の後輩:安藤(アートディレクター、ソラミミスト今東光似の毒舌家)
・くろくま広告社元会長:広瀬弘文(美智子夫人の父)
・銀座の若旦那衆他
霞ヶ関官僚、国会議員他
・その他随増殖・・

 


「はい、こちら2020東京五輪」(Behind the Story 2020tokyo)

 

第十六章 「令和時代の未来図」

 

<第十六章:その五>

 

 2020東京五輪のチケット販売抽選結果が発表されたが、何十枚も予約された人もあまり当たらないようだ。大会の音頭をとっている電通関係ではいろいろな枠はあるだろうと推察できる。案の定、芸能関係者はSNSなどで当選の知らせが相次いでいる。僕ら一般人にはおまけついでにということなのだろうか。みどり君は大会運営側であるためどの会場もスルーで通れるようだ。スタジアムでも冷房完備のコントロール室で開会式を見守る。船橋君も安藤もチケットは当たらなかった。もちろんマネキン嬢たちもだ。ずっと気にはなっていたことだが、2020の五輪の曲を知っている人はあまりいないように思える。現に周りの人に聞いても知らないという。1964年の三波春夫さんが歌った曲のリメイク版らしい。電通側はどうして曲を募集したりアナウンスをしなかったのだろうか。ZAHA案のスタジアムがコンペでの採用を棚上げにされ、政治利用されてしまってから、僕の気持ちはかなり萎れている。ZAHA案スタジアムでの開会式のイメージだけはいまでも失っていない。だから2012年のロンドン五輪のような素晴らしい開会式は僕にはまったく期待できないのだ。長野冬季五輪の開会式・閉会式はひどいものだったが、それと同等のものになる可能性は高い。
 イージス・アショア騒動、、日米貿易交渉で農村部の崩壊、年金2000万円不足問題の三大案件が、自公政権の足下を揺らしている。12年前の年金消失問題で第一次安倍政権は崩壊したが、今回も当時の状況に酷似している。特に今回は年金に関する問題が争点になるだろうが消費税云々は焦点にならない。なぜなら世論が消費税増税に対して否定的になっており、増税延期への期待は織り込み済みになっているからだ。一時は参議院は黙っていても十分勝利すると自民の単独予測があったが、いまは暗雲が立ちこめている。安倍総理衆議院を突如解散する可能性は十分にある。彼はこれまでに同日選をやらないことを公言はしてはいる。実際の彼の胸の内では、支持率があるいまのうちにやっておけば、衆議院参議院では大幅議席減はあるが、過半数議席を確保できる。だからあと四年は政権担当は安泰ということだ。総理総裁分離論を展開してさらなる自己都合の総理の在任期間を目論んでいる。官邸への忖度で厚生労働省が参議員選挙(または同日選)後に年金の健康診断を発表し、年金の支給開始を遅くさせ、現役世代への負担を増やす方向に傾いていくはずだ。社会保障への国民負担にさらなる周知を徹底させていくものと見られる。まさに詐欺まがいの政権ということになる。有権者はこのことを忘れてはいけない。普段はあまり投票所に足を運ばない有権者はもっと怒りを表してほしい。棄権はするが批判したり、デモには参加するでは民主主義で主権在民の権利を主張する資格はあるだろうか。2019年の選挙では自民党支持者からのお仕置きは相当きついものになると見ている。人は権力を握り議席を与え過ぎると誰でも自分を見失いやすくなるものだ。かつての民主党政権もそうだった。今の自公政権の場合だと、政治に関心がない若い世代や中高年が将来いつの間にか年金が支払われないという不足の事態は覚悟しておいたほうがいい。それくらいの深刻性は認識しておかなければならないだろう。今回投票所に足を運ぶ人たちは、有権者のほとんどが、官邸に都合の悪い(金融庁のワーキンググループが記したもの)が削除されていたということを知っている。中高年層にとっては年金の給付低下は、死活問題となっている。若い世代は人生設計の見直しに迫られる。世論調査によれば、60歳の平均貯蓄額が2700万円だといわれいるが、例えば9人が貯蓄ゼロ、一人が2億7千万だとしても、10人の貯蓄平均額は2700万となる。貯蓄100万円以下の世帯は25%。貯蓄ゼロの世帯もかなりいる。実に4人に一人が貯蓄に回せない。これでは消費マインドがますます下がっていく一方だ。消費税どころではなくなって来ている。香港での200万人のデモが中枢を動かした。デモがなくても賢明な日本人だったら中央政府への諫言は可能なはずだ。素朴な疑問なのだが、年金制度では公務員のモデルケースもあってしかるべきだろう。職域加算ってどうなんだろう。一元化はしていても公務員だけは特別扱いでは年金問題の議論をする意味がない。自営業者やフリーの年金モデル試算も出しておくべきだ。参議院選後は、パート主婦への強制徴収が待っている。夫の収入が減っている分主婦がパートで補わざるを得ない状況でも、厚生年金を徴収する案が現実になったらどうなるのだろうか。主婦層を敵に回した安倍政権の行く末は厳しいだろう。日本は世界から見ればブラック国家と見られてもちっとも可笑しくはなくなった。

 

「2019年参議院(または同日衆議院)選挙後の風景を読む」

 イージス・アショア騒動、、日米貿易交渉で農村部の崩壊、年金2000万円不足問題の三大案件が、自公政権の足下を揺らしている。12年前の年金消失問題で第一次安倍政権は崩壊したが、今回も当時の状況に酷似している。特に今回は年金に関する問題が争点になるだろうが消費税云々は焦点にならない。なぜなら世論が消費税増税に対して否定的になっており、増税延期への期待は織り込み済みになっているからだ。一時は参議院は黙っていても十分勝利すると自民の単独予測があったが、いまは暗雲が立ちこめている。安倍総理衆議院を突如解散する可能性は十分にある。彼はこれまでに同日選をやらないことを公言はしてはいる。実際の彼の胸の内では、支持率があるいまのうちにやっておけば、衆議院参議院では大幅議席減はあるが、過半数議席を確保でき。だからあと四年は政権担当は安泰ということだ。総理総裁分離論を展開してさらなる自己都合の総理の在任期間を目論んでいる。官邸への忖度で厚生労働省が参議員選挙(または同日選)後に年金の健康診断を発表し、年金の支給開始を遅くさせ、現役世代への負担を増やす方向に傾いていくはずだ。社会保障への国民負担にさらなる周知を徹底させていくものと見られる。まさに詐欺まがいの政権ということになる。有権者はこのことを忘れてはいけない。普段はあまり投票所に足を運ばない有権者はもっと怒りを表してほしい。棄権はするが批判したり、デモには参加するでは民主主義で主権在民の権利を主張する資格はあるだろうか。2019年の選挙では自民党支持者からのお仕置きは相当きついものになると見ている。人は権力を握り議席を与え過ぎると誰でも自分を見失いやすくなるものだ。かつての民主党政権もそうだった。今の自公政権の場合だと、政治に関心がない若い世代や中高年が将来いつの間にか年金が支払われないという不足の事態は覚悟しておいたほうがいい。それくらいの深刻性は認識しておかなければならないだろう。今回投票所に足を運ぶ人たちは、有権者のほとんどが、官邸に都合の悪い(金融庁のワーキンググループが記したもの)が削除されていたということを知っている。中高年層にとっては年金の給付低下は、死活問題となっている。若い世代は人生設計の見直しに迫られる。世論調査によれば、60歳の平均貯蓄額が2700万円だといわれいるが、例えば9人が貯蓄ゼロ、一人が2億7千万だとしても、10人の貯蓄平均額は2700万となる。貯蓄100万円以下の世帯は25%。貯蓄ゼロの世帯もかなりいる。実に4人に一人が貯蓄に回せない。これでは消費マインドがますます下がっていく一方だ。消費税どころではなくなって来ている。香港での200万人のデモが中枢を動かした。デモがなくても賢明な日本人だったら中央政府への諫言は可能なはずだ。素朴な疑問なのだが、年金制度では公務員のモデルケースもあってしかるべきだろう。職域加算ってどうなんだろう。一元化はしていても公務員だけは特別扱いでは年金問題の議論をする意味がない。自営業者やフリーの年金モデル試算も出しておくべきだ。

Behind the story 2020tokyo-16-4

■「初めて読まれる方へ」■
・・・・・・小学生時代からの幼なじみである船橋君とは、偶然にも中堅の広告代理店の同期入社となる。その15年後、船橋君の長女みどり君は名門のプロテスタント中高一貫校の学生になり、彼女は深田恭子似の絶世の美女に育っていた。僕は美大で油彩を学び、船橋君は六大学の商学部で学んだ。みどり君と僕はピュアな慕情関係となってしまった。僕の娘千鶴もみどり君の学校で一緒だが仲は余り良くない。それから数年後、2020夏季五輪の開催が東京に決定。すでに都庁に就職していたみどり君は五輪準備委員会のメンバーとなった。だが、東京に決定したとは言え、問題が次から次と津波のように押し寄せる。2020東京は本当に大丈夫なのだろうかと、この目で追い続けるのは、時代の証言者としての責務でもある。開催までの出来事とフィクションでのエンターテインメント性を織り交ぜながら話を進めていきます。・:・・・・


★目次・進捗状況★
「はい、こちら2020東京五輪」(Behind the Story 2020tokyo)
<2015年~20208月の開催日まで継続予定です>
■[2015]第一章 透明慕情:その一~その四
■[2015]第二章 2020東京オリンピック開催決定:その一~その六
■[2015]第三章 1940-2020 歴史は繰り返す:その一~その八
■[2016」第四章から第七章
■[2017」第八章から第十章
■[2018」第十一章から第十三章
■[2019」第十四章から第十七章(進行中)
■[2020」第十八章から第二十章(予定)

<登場人物>

・僕:中山正輝
・僕の妻:恵理子(野猿系)
・僕の長女:千鶴(野猿系)
・同僚:船橋真吾(イケメン系:代表権のないくろくま広告社社長)
船橋くんの妻:美智子夫人(ハイソ系:くろくま広告社会長<実質的な経営者>)
船橋くんの娘:絶世の美女:みどり君
・銀座マネキン嬢(昼は銀座通りのマネキン嬢、夜は銀座のサロン嬢:ユキ、ナオミ、サトミ、ミキ他。全員国立大出身のインテリ)
安土城天守閣での時空を超えた歴史上の人物の面々。
美大の後輩:安藤(アートディレクター、ソラミミスト今東光似の毒舌家)
・くろくま広告社元会長:広瀬弘文(美智子夫人の父)
・銀座の若旦那衆他
霞ヶ関官僚、国会議員他
・その他随増殖・・

 


「はい、こちら2020東京五輪」(Behind the Story 2020tokyo)

 

第十六章 「令和時代の未来図」

 

 

<第十六章:その四>

 

 日本の政界では、2019年の参議院改選での有利性を見いだすべく与党内で揉めているようだ。衆議院の解散も同時にというふれこみもあるが、要は安倍第二次政権が安定的な議席数を維持する保証が得られるかどうかということだろう。10月の消費税増税は断行するといわれてはいるが、この増税延長の有無と内閣支持率が自己都合解散のキーポイントとなる。自民党の独自調査では参議院選挙は有利に働いているという調査結果を踏み、衆議院解散をすれば、三分の二の議席数が減ると予測しており、衆参同日選はいまのところ、行わないということで調整をしているようだが、与党の議席減は時間の問題で、むしろ、同日選はやらないほうが野党には有利に働きそうだという見方はいささか甘すぎる。国民の世論は官邸主導の政には懐疑的な見方をしていることに与党側は気づいていないようでもある。個人的な見方だが、結論を先に述べてみる。おそらくメディアでは同日選は行われないと横一線で報道をしているが、官邸では抜き打ち解散を画策しているのではないかと思っている。その根拠は、1)自民党の独自調査では参議院だけでも勝利すると目論んではいるが蓋を開けてみないとなんともいえない不安感があるということ。2)景気動向が下降気味で世界経済の見通しも暗いこと。3)消費税を予定通り行うといってはいるが延長論もかなりある。4)2000万円年金不足問題と金融庁の公式報告書を財務大臣が受け取り拒絶し、年金財政の隠蔽体質が明るみになり、参議院衆議院の同日選を内閣支持率があるうちに断行すれば、消費税増税後の不況があっても4年の政権維持が保てる。5)仮に衆参で議席を減らしても過半数議席を保てれば、安倍首相の任期がさらに伸びる。そうすれば総理総裁分離論は実現するかもしれない、ということだ。与党が予算員会審議拒否中に安倍首相は官邸で芸人と一時を楽しむという行為は許されることなのだろうか。与党側が火消しに躍起になっている光景は国民には滑稽に写る。麻生財務大臣が2000万円不足の報告書を拒絶するのは理にかなっているのだろうか。それは否である。参議院選挙を前にして不都合な真実が明るみに出れば大きく影響するからなのか。12年前の年金消失問題は未だに収束していない。年金問題有権者にとっては死活問題でありナーバスにならざるを得ない。解散は首相の専権事項というのは国民にとっては迷惑な話だが、これは憲法ですでに決まっていることなので変えようがない。首相は解散の閣議決定を引き出すことができるようだ。消費税が上がっても大手新聞社の軽減税率は適用される。新聞社はTV局の大株主だ。官邸への忖度は選挙の行方にも影響する。老後世帯の2000万円捻出問題と投資の推奨はあまりにも身勝手極まりない。金融庁の公式な報告書を麻生財務大臣が受け取りを拒否するという前代未聞の行いは、2000万円拠出問題に火に油を注ぐものとなった。選挙への影響を懸念してこの話はなかったことにしたいという子供じみた考えは世論にはもはや通用しない。安倍第一次内閣も年金問題参議院選挙の大敗を喫し、その後の野党への下野を余儀なくされている。歴史は必ず繰り返される運命にある。衆参のねじれがあるということは相互の議論にも熱がはいるということだ。代議士の別名は弁士であって詭弁氏であってはならない。2004年での年金問題ではまだ2000万人の年金の行方が未解決のようだが。無党派層や弱者・主婦層の怒りは最高潮に達している。この憂国の時期に投票率が半分なら、投票棄権者は国賊扱いされても仕方があるまい。厳しい言い方だが選挙に関心がない人は日本の国籍を返上すべきだと思う。北方領土・拉致・年金・原発事故の問題はどんどん後退しているようにも見える。G20がもうすぐ大阪で行われるが、さしたる成果は期待できないとみている。保護主義への懸念の表明はしないようだ。安倍政権は米国の隷属状況にあるからだ。安倍首相としてはトランプ大統領の顔を立てなくてはならないだろうから、そういう中でのイラン・米国の仲介役は当然難しいものとなる。当然だが日本のリーダーなら米国と対立してでもイランとの原油取引は続けなくてはならない。そういう中立的な行為が日本のアイデンティティを示す絶好の機会でもある。大阪でのG20は単なる寄り合いでの顔合わせに過ぎないレベルだ。間に合わせの首脳会談など少しも役には立たない。米中の貿易戦争と覇権争いなどとメディアは煽ってはいるが、果たしてそうだろうか。トランプ大統領親中派キッシンジャー氏が後見人のような立ち位置にいる。そこから見えてくるものは、私論だがはっきり言って日本外しだ。表向き日米は蜜月状態にあるが疑った方がいいだろう。安倍氏の祖父は大政翼賛会で中枢の人物だった。その孫が総理を担当しているものだから、周辺各国は身構えている。文韓国大統領や金正恩氏の日本への敵対的姿勢の原点はそこにある。拉致問題の提起は真逆の方向にいくだろうというのは当然だろう。周恩来キッシンジャーの太平洋は米国と中国で二分する構想はいまだ立ち消えてはいない。関税やハーウェイ論争は貿易赤字解消にはなんの効き目もないように思える。米国は米国債金融資本システムを確立し、いくら自国が赤字でも経済は焼け太りするという状況は変わらない。米国は世界のリーダー役を降りたので、中国が台頭するのは自然の理だ。しかし、一党独裁共産党の旗を振りかざし、人民解放軍が人民弾圧軍となり、人権を無視した政の限界は避けられない。一帯一路の発想は大唐帝国が参考となっているようだが、第二の孫文のような指導者が現れて、民主化が加速する可能性はなくはない。イージス・アショアの設置エリア選定において、秋田でのデータが間違っていたというが、Google earthを使ってやること自体が問題だった。防衛省が現実的な計測をなぜしなかったのか。未だに純国産基本ソフトを持たない日本の脆弱さを露呈させているようなものだ。米国追従一途の日本はこのままだと世界から埋没してしまう危険がある。安倍氏でなければ首相は務まらないという見方はもう古い。党を超えての新たな日本のリーダー出現に期待したいものだ。

 

リーダー不在の時代

日本の政界では、2019年の参議院改選での有利性を見いだすべく与党内で揉めているようだ。衆議院の解散も同時にというふれこみもあるが、要は安倍第二次政権が安定的な議席数を維持する保証が得られるかどうかということだろう。10月の消費税増税は断行するといわれてはいるが、この増税延長の有無と内閣支持率が自己都合解散のキーポイントとなる。自民党の独自調査では参議院選挙は有利に働いているという調査結果を踏み、衆議院解散をすれば、三分の二の議席数が減ると予測しており、衆参同日選はいまのところ、行わないということで調整をしているようだが、与党の議席減は時間の問題で、むしろ、同日選はやらないほうが野党には有利に働きそうだという見方はいささか甘すぎる。国民の世論は官邸主導の政には懐疑的な見方をしていることに与党側は気づいていないようでもある。個人的な見方だが、結論を先に述べてみる。おそらくメディアでは同日選は行われないと横一線で報道をしているが、官邸では抜き打ち解散を画策しているのではないかと思っている。その根拠は、1)自民党の独自調査では参議院だけでも勝利すると目論んではいるが蓋を開けてみないとなんともいえない不安感があるということ。2)景気動向が下降気味で世界経済の見通しも暗いこと。3)消費税を予定通り行うといってはいるが延長論もかなりある。4)2000万円年金不足問題と金融庁の公式報告書を財務大臣が受け取り拒絶し、年金財政の隠蔽体質が明るみになり、参議院衆議院の同日選を内閣支持率があるうちに断行すれば、消費税増税後の不況があっても4年の政権維持が保てる。5)仮に衆参で議席を減らしても過半数議席を保てれば、安倍首相の任期がさらに伸びる。そうすれば総理総裁分離論は実現するかもしれない、ということだ。与党が予算員会審議拒否中に安倍首相は官邸で芸人と一時を楽しむという行為は許されることなのだろうか。与党側が火消しに躍起になっている光景は国民には滑稽に写る。麻生財務大臣が2000万円不足の報告書を拒絶するのは理にかなっているのだろうか。それは否である。参議院選挙を前にして不都合な真実が明るみに出れば大きく影響するからなのか。12年前の年金消失問題は未だに収束していない。年金問題有権者にとっては死活問題でありナーバスにならざるを得ない。解散は首相の専権事項というのは国民にとっては迷惑な話だが、これは憲法ですでに決まっていることなので変えようがない。首相は解散の閣議決定を引き出すことができるようだ。消費税が上がっても大手新聞社の軽減税率は適用される。新聞社はTV局の大株主だ。官邸への忖度は選挙の行方にも影響する。老後世帯の2000万円捻出問題と投資の推奨はあまりにも身勝手極まりない。金融庁の公式な報告書を麻生財務大臣が受け取りを拒否するという前代未聞の行いは、2000万円拠出問題に火に油を注ぐものとなった。選挙への影響を懸念してこの話はなかったことにしたいという子供じみた考えは世論にはもはや通用しない。安倍第一次内閣も年金問題参議院選挙の大敗を喫し、その後の野党への下野を余儀なくされている。歴史は必ず繰り返される運命にある。衆参のねじれがあるということは相互の議論にも熱がはいるということだ。代議士の別名は弁士であって詭弁氏であってはならない。2004年での年金問題ではまだ2000万人の年金の行方が未解決のようだが。無党派層や弱者・主婦層の怒りは最高潮に達している。この憂国の時期に投票率が半分なら、投票棄権者は国賊扱いされても仕方があるまい。厳しい言い方だが選挙に関心がない人は日本の国籍を返上すべきだと思う。北方領土・拉致・年金・原発事故の問題はどんどん後退しているようにも見える。G20がもうすぐ大阪で行われるが、さしたる成果は期待できないとみている。保護主義への懸念の表明はしないようだ。安倍政権は米国の隷属状況にあるからだ。安倍首相としてはトランプ大統領の顔を立てなくてはならないだろうから、そういう中でのイラン・米国の仲介役は当然難しいものとなる。当然だが日本のリーダーなら米国と対立してでもイランとの原油取引は続けなくてはならない。そういう中立的な行為が日本のアイデンティティを示す絶好の機会でもある。大阪でのG20は単なる寄り合いでの顔合わせに過ぎないレベルだ。間に合わせの首脳会談など少しも役には立たない。米中の貿易戦争と覇権争いなどとメディアは煽ってはいるが、果たしてそうだろうか。トランプ大統領親中派キッシンジャー氏が後見人のような立ち位置にいる。そこから見えてくるものは、私論だがはっきり言って日本外しだ。表向き日米は蜜月状態にあるが疑った方がいいだろう。安倍氏の祖父は大政翼賛会で中枢の人物だった。その孫が総理を担当しているものだから、周辺各国は身構えている。文韓国大統領や金正恩氏の日本への敵対的姿勢の原点はそこにある。拉致問題の提起は真逆の方向にいくだろうというのは当然だろう。周恩来キッシンジャーの太平洋は米国と中国で二分する構想はいまだ立ち消えてはいない。関税やハーウェイ論争は貿易赤字解消にはなんの効き目もないように思える。米国は米国債金融資本システムを確立し、いくら自国が赤字でも経済は焼け太りするという状況は変わらない。米国は世界のリーダー役を降りたので、中国が台頭するのは自然の理だ。しかし、一党独裁共産党の旗を振りかざし、人民解放軍が人民弾圧軍となり、人権を無視した政の限界は避けられない。一帯一路の発想は大唐帝国が参考となっているようだが、第二の孫文のような指導者が現れて、民主化が加速する可能性はなくはない。イージス・アショアの設置エリア選定において、秋田でのデータが間違っていたというが、Google earthを使ってやること自体が問題だった。防衛省が現実的な計測をなぜしなかったのか。未だに純国産基本ソフトを持たない日本の脆弱さを露呈させているようなものだ。米国追従一途の日本はこのままだと世界から埋没してしまう危険がある。安倍氏でなければ首相は務まらないという見方はもう古い。党を超えての新たな日本のリーダー出現に期待したいものだ。

 

Behind the story 2020tokyo-16-3


第十六章~

 


■「初めて読まれる方へ」■
・・・・・・小学生時代からの幼なじみである船橋君とは、偶然にも中堅の広告代理店の同期入社となる。その15年後、船橋君の長女みどり君は名門のプロテスタント中高一貫校の学生になり、彼女は深田恭子似の絶世の美女に育っていた。僕は美大で油彩を学び、船橋君は六大学の商学部で学んだ。みどり君と僕はピュアな慕情関係となってしまった。僕の娘千鶴もみどり君の学校で一緒だが仲は余り良くない。それから数年後、2020夏季五輪の開催が東京に決定。すでに都庁に就職していたみどり君は五輪準備委員会のメンバーとなった。だが、東京に決定したとは言え、問題が次から次と津波のように押し寄せる。2020東京は本当に大丈夫なのだろうかと、この目で追い続けるのは、時代の証言者としての責務でもある。開催までの出来事とフィクションでのエンターテインメント性を織り交ぜながら話を進めていきます。・:・・・・


★目次・進捗状況★
「はい、こちら2020東京五輪」(Behind the Story 2020tokyo)
<2015年~20208月の開催日まで継続予定です>
■[2015]第一章 透明慕情:その一~その四
■[2015]第二章 2020東京オリンピック開催決定:その一~その六
■[2015]第三章 1940-2020 歴史は繰り返す:その一~その八
■[2016」第四章から第七章
■[2017」第八章から第十章
■[2018」第十一章から第十三章
■[2019」第十四章から第十七章(進行中)
■[2020」第十八章から第二十章(予定)

<登場人物>

・僕:中山正輝
・僕の妻:恵理子(野猿系)
・僕の長女:千鶴(野猿系)
・同僚:船橋真吾(イケメン系:代表権のないくろくま広告社社長)
船橋くんの妻:美智子夫人(ハイソ系:くろくま広告社会長<実質的な経営者>)
船橋くんの娘:絶世の美女:みどり君
・銀座マネキン嬢(昼は銀座通りのマネキン嬢、夜は銀座のサロン嬢:ユキ、ナオミ、サトミ、ミキ他。全員国立大出身のインテリ)
安土城天守閣での時空を超えた歴史上の人物の面々。
美大の後輩:安藤(アートディレクター、ソラミミスト今東光似の毒舌家)
・くろくま広告社元会長:広瀬弘文(美智子夫人の父)
・銀座の若旦那衆他
霞ヶ関官僚、国会議員他
・その他随増殖・・

 


「はい、こちら2020東京五輪」(Behind the Story 2020tokyo)

 

第十六章 「令和時代の未来図」

 

<第十六章:その一>

 

 2019年5月1日から日本の元号が令和になった。新しい天皇陛下皇后の未来と日本のこれからはどうなるのか、いまこの時代に生きる私たちは試行錯誤して歩んで行かなければならなくなるのだろう。今年は特例で10連休にはなったが、一部の企業や業界を除いては、いつも通りの勤務や休みを取るところがほとんどだったのではないだろうか。この間、駅のホームでは通勤時でも混んでいたし、学生たちは部活で汗を流し、休暇に使う余分な資金がないというのが庶民の実感だとおもう。官邸の景気動向街角ウォッチャーは政府が民間に嘱託で調査させ、それをもとに景気指数の判断材料にするわけだが、これとて正しい数値になっているかは怪しいものだ。6年ぶりの景気悪化指数が顕著になっているようだが、そういうことを言われなくても、ここ二十年間は可処分所得が減り続けている現状は見逃すことはできない。緩やかな景気の回復は実は下降の事実を隠ぺいしたかのように見える。政府が統計不正に身を乗り出さなければならなくなるほど、日本はひどい経済状況なのかもしれない。いま、米中の貿易戦争の様相を呈しているが、双方の激しい応酬にマスメディアは右往左往しているようだが、実は、水面下ではうまくいっているという憶測は排除できないでいる。トランプ大統領の背中にはキッシンジャー氏が構えており、米中の思惑は深いところにある。米国の自国優先主義は世界経済や軍事バランスに悪影響を及ぼすのは動かしがたいものだが、現在の地球文明での真のリーダーがいないという事実は、今後の混とんとする世界の行く末をより複雑にしていくことになるだろう。
 日本の国会議員が北方領土問題に関してのあるまじき発言が世界からの批判をよんでいる。今の国際連合は第二次大戦時での連合国側の論理で成り立っており、旧敵国条項がいまだに存在し削除されずにいるが、日本やドイツやイタリアの各国は、米国・ロシア・イギリス・フランス・中国の常任理事国の判断により、危険な存在とみなされればいつでも壊滅攻撃を許されるという国際連合の位置づけをを認識したうえで、日本の政に携わる者は慎重な発言をしなければならない。これは、安倍総理にも改めて進言しておきたい。
 戦後75年にもなるのに、日本はいまだ制空権を米軍に握られており、トランプ大統領が専用機で横田基地に身勝手に離着陸できるという現実も直視しておくべきだろう。サンフランシスコ講和条約で日本は主権をとりもどしたと言われてはいるけれども、果たしてそうだろうか。日本の完全主権にはあと一世紀は要するかもしれない。この条約は米国と日本だけのものであり、中国やロシア、朝鮮半島、東南アジア諸国とのものではない。戦後賠償は大変なのだが、それは戦争を仕掛け敗戦した国の言い訳のできない責任だ。だから、これからも歴代の担当政権では専守防衛の枠を超えた発言は絶対すべきではない。戦前では25歳以上の男子だけが参政権を有し、女性にはその資格がなかった。大政翼賛会昭和天皇を巻き込んで暴走した一つの要因ともされる。今年は参議院選挙と衆議院選挙のW選挙の可能性が日増しに強まってきている。官邸では水面下ではすでに周到に準備をしているはずだ。そういう推測はいくらでもできる。有権者は成人になると誰にでも選挙権があるということを再認識して、投票所へいくのを楽しみするという感じ方もわるくはない。投票の棄権も意思の一つだと勘違いをされるひともいるようだが、とんでもない間違いだ。
 2020東京五輪のチケット販売が開始された。ID登録をしてからもうしこむようだが、キャンセルは不可。転売詐欺の横行が目に浮かぶようだ。そんなことよりも、2020年の開催期間の酷暑はどうなのか気になる。新国立競技場は木造で冷暖房の完備はなし。来場者にはかち割で我慢とは今でも信じられない。ほんとうにそうなら、数多くの熱中症や脱水症の患者で競技場の周辺では救急車がひっきりなしに動いている光景が容易に想像できる。
 京都の郵便局でゆうパックの配送車が運転手と荷物ごと行方が分からなくなったとうニュースが飛び込んできた。すでに一週間近く経っているのに、事故とか犯罪に巻き込まれたかという見方も多かったが、某コインパーキングで寝ているところを現行犯で逮捕された。この当事者に対する批判は数多くあったが、人を殺めたわけではなく、お金と車の横領ですんだので、なかには同情や叱咤激励の声もあった。郵政民営化で利益至上主義もいいが、かつてのユニバーサルサービス復権も考えてほしい。下請けの負担も多いことだろうから。米国では、郵政事業はいまだに民営化はしていない。

 


<第十六章:その二>


この二十年間、日本ではテレビドラマの質がどんどん落ちているのを感じている人はかなり多いと思う。役者、とりわけ銀幕スターがすっかりいなくなってしまったのだから仕方がないのだが。昔デビューした俳優から若い世代へのバトンタッチもままならない。若手の俳優が育んでいく環境にも問題があるのだろうか。テレビドラマで話題作なると、山崎豊子の「白い巨塔」となるが、令和時代で初めてのリメイクドラマで財前役に岡田准一さんが抜擢された。テレビ朝日開局60周年記念スペシャルドラマシリーズ、2019年版「白い巨塔」が始まった。田宮二郎が31回、唐沢寿明が21回、岡田准一が5回と放映回数が異なるが、視聴率の視点からは唐沢・江口コンビがダントツで、最高瞬間視聴率が関西で40%近くまでいったというモンスタードラマだった。確か2003年のフジテレビの開局記念だが、今回の岡田財前のドラマを観て、個人的には唐沢財前がまた観たくなった。唐沢財前は田宮財前の最終回の視聴率31.4%を抜く32.1%だった。この記録は当分抜かれることはないだろう。原作者の山崎豊子は唐沢の主役に疑問を持っていたが、クランクインの前に会食をした際に面白い人と気に入られ、OKが出された。最終回撮影収録後はとても彼に感心したという。現場の撮影シーンでは実際の外科医が数名いて細かな手術の手先の使い方や身振り手振りまで容赦なく指摘し何度も何度もNGを出されたらしい。唐沢は役柄に相当苦労したようだ。今回は岡田ファンも数多くいるだろうから批判めいたことは言わないが、視聴者はだいたい同じような目で見ているに違いない。見た目気になる点があったので申し上げておくと、1)身の丈:田宮二郎の身長は180㎝、唐沢寿明は175cm、岡田准一は165㎝(169?)と背が違い過ぎる。総回診のシーンでは靴底を上げて背を高く見せておいたほうが良かったか。2)今回は放映回数5回では短すぎる。確かに第二回目での教授選は早すぎる。3)ミスキャストが多い。4)心理的な駆け引きと手術シーンの緊迫感が薄い。5)音楽が今風かもしれないがもっと重みのあるものがいい。。。6)没頭のシーンで小林さんがスピーチを行うがあの不可思議なメイクの意味するところは?7)物語の展開が飛び過ぎていて、出演者の性格が伝わってこない。8)豪華キャストには違いないらしいが、ドラマを見ていると壮観な風景と深く考えられた場所の選定にも難がある。9)開局記念なのに予算があまり投じられている気がしない。。。私的な事だが、二回目の放映を拝見していたが、家族ががあまりの内容に突然他の番組に変える一幕もあった。視聴率は第一回が12.5%、第二回目が11.8%で、視聴者がこのまま続けて第三回目を見てくれるかどうか制作サイドの悩みどころでもある。5回の平均視聴率を二桁で維持できるかが焦点となりそうだ。視聴率調査はかつて海外の企業ニールセンも一時期公表していたが撤退。広告代理店をはじめとする業界主導の視聴率のシステムの弊害が現在のインターネットの時代にかみ合わないという批判もある。一応の目安になるのは確かなのだが、それにかわる客観的なデータ収集がない現状では今しばらくは仕方がないだろう。電通の元社員が、やめた後そういうことを内部告発しても現役時でのものではないので、告発ではなく事後報告的な暴露ということになり、インフルエンサー役としてはかなり弱い。岡田財前、第三回目を見た知人がまたトーンダウンしていたといっていた。唐沢版をまた観たくなる視聴者が激増しそうだ。今回の白い巨塔がテレビ局の開局記念としては物寂しいものとなった。気になる点は述べたが、一番の失敗の原因は原作を甘く見た制作側・プロデューサー・経営陣の取り組みに本気度が薄かったとの見方もあながち間違いではないだろう。映画でもドラマでも、ワンシーンを観ただけで作品の出来がわかるという。唐沢財前が江口里美に書き残した遺書の語りのシーンには感動したものだった。あと十年後フジテレビでまた高品質な白い巨塔を制作してくれることを願っている。。。

 


<第十六章:その三>


 サンフランシスコ講和条約で日本は主権を取り戻した。主権というより自治権といったほうがいいだろう。日本全土は未だに米軍に制空権が握られているし、民間の航空機は彼らのコントロール下にある。オスプレイは事故があっても巷の批判はどこ吹く風と開き直っている。当時の官僚がつぶやいた「もはや戦後ではない」というのは巷で一人歩きしたようだが、果たしてそうだろうか。日米関係は先の明治維新前夜から、日米修好通商条約などで日本にとっては不平等極まるものとなった。米国の為替通商で日本の金銀がハリスによってすっかり持ち去られることになり、南北戦争北軍の軍資金の元手となったことは有名な話だ。ハリスはリンカーンの側近で懐刀として活躍したが、南北戦争が予定より早く終結し、大量の武器弾薬の在庫が膨大になった。フランスが幕府側にたち、イギリスが薩長軍を支援したが、米国は双方の側に武器ビジネスを敢行し、やらなくてもよかった内乱(戊辰戦争)にも加担し、莫大な利益を生んでいる。明治維新で金銀がすっかりなくなり疲弊した日本は海外から借財を重ね、アングロサクソンのまねをして植民地政策の道に進まざるを得なくなり、富国強兵は避けられない状況になっていた。日清・日露戦争でかろうじて戦勝国になり、領土拡大戦略として満州国の建国や朝鮮半島の併合も強行したが、無謀な米国への宣戦布告が最悪の結末を迎え戦後の庶民は耐えがたきを耐え忍びがたきを忍ばざるを得ない日々を送った。朝鮮戦争は日本にとって思わぬ特需を生み、経済復興の土台を築いたようだが、中東諸国やアジア周辺国は先の旧日本軍の圧政を未だに許してはいない。戦後73年がたっても深い傷跡は修復が不可能に近いものとなっている。ヒトラームッソリーニ裕仁天皇三国同盟(連合国側からすれば悪の枢軸国)でつながっていたが、日本の旧最高司令官だけが生き延び国体を維持された。マッカーサー昭和天皇は十数回も会見をして、側近のホイットニー氏が書いた文書が機密解除され公の目に晒されることになった。時代は変わっても、国家が存在する限り、国としての過去の過ちに対する立ち位置は未来永劫変わらない。だから、時代が変遷しても国のトップリーダーの責任は重くなるのは当然だろうと思う。いまでも、日米では不平等条約が存在する。日米安全保障条約日米地位協定・日米原子力協定が三大不平等の案件だが、今回のトランプ大統領が令和で初めての国賓で来日したが、日本は大切な占領地であるという言動は表向き出さないだろうが、内心は日本は極東の植民地という思いなのだろう。安倍首相はF35ステルス戦闘機を100機追加投入するという無謀な約束を勝手にしてしまった。実に二兆円もの経費となる。消費税上乗せ2%分が吹っ飛ぶ計算だ。防衛装備は首相の専権事項なのだろうか。衆議院解散権も首相の専権事項のはずだが、今回はトランプ大統領にあるようだ。選挙の結果がでるまで貿易問題は先送りすると言い放った。衆参W選挙はもはや規定の事実化と科しているように見える。安倍氏のあやふやな言動がそれを意味している。解散権を憲法で首相から切り離すことは必要だ。今回の衆議院解散には大義はない。消費税をまたほぼ延期するようだが、これは以前から織り込み済みだ。景気が悪化しても「緩やかな景気回復」の記述を削除しないのは官邸の思惑もあるのだろう。野党は野党で衆参同時選挙には手が回らないという報道だが、今回の選挙では自公政権へのお仕置きが多いのではないかと予想している。自民党議員の問題発言がどんどん増えている。有権者の不満も最高潮のように見える。二年前の衆議院選挙ではマスメディアもぐるになって自公が有利になるよう選挙運動を展開していたが、今回は事情が事情だ。もし同じような結果になったら、第二の大政翼賛会になってしまう。4000万人もの無党派層や女性・主婦層の票はどこに向かうのか。棄権したらあなたの未来はないと心得よ。どこに投票しようがかまわないが、主権在民の権利は大切にしよう。