The Moyurupen Street Journal for hatena

現代文明を震撼させ人々の六感を覚醒させる仁科広嗣のブログです。元広告代理店クリエイティブディレクター

Behind the story 2020tokyo-18-3

 

 

<第十八章:その三>

 

 2009年に米国と契約を交わした三菱スペースジェット(MRJ)の100機のキャンセルがあった。これまでキャンセルは米国の都合か機体の未完成から来ているが、MRJは日本初の国産ジェット航空機だが、実はエンジンは米国製で日本は組み立てだけの箱物同然の航空機ででもある。戦前の三菱零式戦闘機(ゼロ戦)に苦しめられた米国が、戦後の日本の純国産航空機製造禁止を唱えたのは至極当然かもしれないが、戦後74年も日本が純国産ジェット機を開発製造できない風土を作ってしまったのは実に悲しい。未だに米軍が駐留基地と制空権を握っている影響から、2020東京五輪での民間の航空機の航路制限に至るまでになった。横田基地の制空権は広大で関東をすべて含んでいる状況だ。日本全土といってもいい。ようやく「心神」ステルス戦闘機の試験飛行は終えたが、実戦配備はいつになるか見当が付かない。新たなゼロ戦の姿を見た米国の心境はいかばかりだっただろうか。
 1972年ニクソンと中国との電撃的な国交を結んだ一年前に、周恩来氏とキッシンジャー氏が秘密外交を行い、その会談の内容が2002年に公文書として機密解除された。国家の公文書の大切な扱い方は国のレベルを推し量る上での評価の基準になるが、とりわけ日本は公文書に対する考え方が雑で先進国とはとても思えない風景をさらし続けている。公文書を大事にするということは国の公用語を重んじることになり、豊かな言語コミュニケーション文化を生むことになるのだが、戦後押しつけられた英語を脅迫的に大学試験のマチエールにし、「身の丈」という格差の生じる学習環境を容認した萩生田文部科学大臣の罪は甚大だ。英語なんかよりも日本語の掘り起こしに力を入れるべきである。英語は話せるがあえて日本語だけで事を済ませる。そういうスタンスもありだと思う。フランス人が英語は話せるのにフランス語しか話さない、関西人は関西語しか話さない。英語と日本語は周波数が違うのではないかと思う。無理にネイティブになる必要はない。2020東京五輪のおもてなしの一環として、外国語対策を講じてはいるがすべて日本語で案内するというのも「おもてなし」といえないだろうか。今の中国は参考にならないが(魔の文化破壊大革命)、清国以前までの中国は世界の模範となるべく公文書(史実)に対する意識はとても高く、中国5000年の歴史を現代人が垣間見る事ができるのは未来人にとっては至極うれしい気分になる。日本の歴史には神話を含めて2600年と言うスタンスはあるけれども、空白の歴史が数多くあり、中国の歴史書や公文書から想像するしかない状況だ。周恩来キッシンジャーとの機密会談の概略は、1)日本の核武装は認めない、2)必要最低限の防衛力だけは認める、3)米中は19世紀からの伝統的な外交を継続、4)太平洋を米中で二分割で管理する、5)世界的視野を持つ中国、部族的視野しかもたない日本、6)必要なら米中で日本を叩き潰す・・・という会談だったという。反日的なキッシンジャーを事実上顧問とするトランプ大統領もその影響下にあることから、日本は彼のディール(取引)外交に振り回されないようにすることが大事だ。ホルムズ海峡の有志連合不参加は正解だった。部屋に閉じこもって地球儀で俯瞰外交を夢見ても、実際の体当たりの外交で成果を出さないと政治家としての価値はなくなる。トランプ大統領が人類の歴史に対して無礼や失敗を繰り返しているが、彼が去ったあとの後始末は後世が担うことになる。前政権でなしえなかった事に対して果敢に挑んではいたが、利己的なアメリカファーストの後遺症は必ずやってくる。なぜなら歴史という生き物が公平さのバランスをとろうとするからだ。