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1587<道満丸景虎と小姓の戯言>(天正戦国小姓の令和見聞録)HB

人類の歴史を戦国の小姓の視点で深く追究していきます。

「はい、こちら2020東京五輪」<第十二章:その三>

■「初めて読まれる方へ」■
・・・・・・小学生時代からの幼なじみである船橋君とは、偶然にも中堅の広告代理店の同期入社となる。その15年後、船橋君の長女みどり君は名門のプロテスタント中高一貫校の学生になり、彼女は深田恭子似の絶世の美女に育っていた。僕は美大で油彩を学び、船橋君は六大学の商学部で学んだ。みどり君と僕はピュアな慕情関係となってしまった。僕の娘千鶴もみどり君の学校で一緒だが仲は余り良くない。それから数年後、2020夏季五輪の開催が東京に決定。すでに都庁に就職していたみどり君は五輪準備委員会のメンバーとなった。だが、東京に決定したとは言え、問題が次から次と津波のように押し寄せる。2020東京は本当に大丈夫なのだろうかと、この目で追い続けるのは、時代の証言者としての責務でもある。開催までの出来事とフィクションでのエンターテインメント性を織り交ぜながら話を進めていきます。・:・・・・


★目次・進捗状況★
「はい、こちら2020東京五輪」(Behind the Story 2020tokyo)
<2015年~20208月の開催日まで継続予定です>
■[2015]第一章 透明慕情:その一~その四
■[2015]第二章 2020東京オリンピック開催決定:その一~その六
■[2015]第三章 1940-2020 歴史は繰り返す:その一~その八
■[2016」第四章から第七章(予定)
■[2017」第八章から第十章(予定)
■[2018」第十一章から第十三章(予定)
■[2019」第十四章から第十六章(予定)
■[2020」第十七章から第二十章(予定)

<登場人物>

・僕:中山正輝
・僕の妻:恵理子(野猿系)
・僕の長女:千鶴(野猿系)
・同僚:船橋真吾(イケメン系:代表権のないくろくま広告社社長)
船橋くんの妻:美智子夫人(ハイソ系:くろくま広告社会長<実質的な経営者>)
船橋くんの娘:絶世の美女:みどり君
・銀座マネキン嬢(昼は銀座通りのマネキン嬢、夜は銀座のサロン嬢:ユキ、ナオミ、サトミ、ミキ他。全員国立大出身のインテリ)
安土城天守閣での時空を超えた歴史上の人物の面々。
美大の後輩:安藤(アートディレクター、ソラミミスト今東光似の毒舌家)
・くろくま広告社元会長:広瀬弘文(美智子夫人の父)
・銀座の若旦那衆他
霞ヶ関官僚、国会議員
・その他随増殖・・

 


「はい、こちら2020東京五輪」(Behind the Story 2020tokyo)

 

第十二章 「2020の難問と課題」

 

 

<第十二章:その一>


MLBの大谷選手が規格外の活躍を披露している。
 2020東京五輪が再来年に迫ってきた。聖火ランナーの計画も最終段階になってきており、五輪誘致の裏金問題などといっていられない状況にある。そういうのは大会が終わってから取り上げればいいことで、主催国としてはどうでもいいとは言わないが、いくら政治が関与しただとか、贈収賄が大会中止に動くだとか、疑惑があってももう止めることはできない。といっても、諸問題の解決はしなければならない。女子レスリング界でのスキャンダルは五輪に波紋を呼んではいるが、以外と関心度は高くない。アスリートの問題よりも、大会に関わる政治的な問題のほうに関心がいくのは自然だろう。北朝鮮がIOC会長との会談で今のところ2020東京には参加すると表明したようだ。確定するにはまだ時間がかかりそうで、日本との政治的な信頼が確立できるかどうかだろう。課題はまだまだ多い。

 四面楚歌とは紀元前3世紀の中国で、項羽の軍(楚)が劉邦(高祖)の漢軍に囲まれ、四方八方で楚の歌を唱えられると、楚の兵士は敗北したと思い惨敗する例えだが、いまの安倍政権にはこれがピッタリ当てはまる。金正恩氏は、父である正日氏が拉致を認め謝罪し、5人を日本に返したが、小泉氏(安倍氏も関わった)が日朝の国交正常化交渉を反古にしコケにした怨みは、いまだに持っているだろうと推測はできる。だから安倍氏が首相に居座る限り絶対拉致問題は解決しない。正恩氏は父が受けた汚名をいまだに忘れてはおらず、小泉氏と同じく安倍氏拉致問題を政治利用するとみている。常々「拉致問題を取り上げさせるな。対話するな。交渉はもってのほかだ」と箝口令を敷いていると言うから、いまさら、日本政府が日朝云々といたっところで爪弾きされるのがおちだろう。加えて、いまの官邸の忖度政治が、一連の公文書改ざんと隠蔽を生み、国体の行く末が心配されている。日本は一人の歴史修正主義者が自己追究の思惑を抱いたおかげで、中国・朝鮮半島周辺諸国から信頼されない素地を築いてしまった。トランプ氏と拉致問題を優先に話し合うというが、トランプ氏は人権問題より、金正恩氏との超弩級レベルの交渉が大事とされ、結局安倍氏は平気で日本の国益を売る形となって跳ね返ってくることだけは間違いないだろう。安保とは関係の無い米国の都合でオスプレイが、日本本土でも飛び回る事に対して日本政府が無力なのは敗戦国の宿命だ。米国の公文書館ではホイットニー文書というものが機密解除になっていて、戦後の昭和天皇の考えが伺える。公文書というのは歴史書とおなじく神聖なものであるからして、役人が勝手にその行為をするとは常識では考えられない。公的文書は絶対改竄と隠蔽はしてはならいという認識が日本人にはなさ過ぎる。日本の歴史を管理するシステムがいままさに崩壊しているように見える。日本の情報公開の自由度が世界では大きく遅れていることは見過ごすことは出来ない。黒塗りの公的文書公開が公然と許される現実が一連の改竄・隠蔽の体質を助長しているのは、日本の民主主義がいまだに偽りであることを証明するようなものだ。純国産のステルス戦闘機「心神」の開発導入を、米国の顔を伺いながら断念した安倍氏の精神がわからないし、ムリして買わなくてもよい多くのオスプレイやイージスアショアなどの無理矢理予算や横田基地などへの米軍の予告のない前倒しオスプレイ配置などをみても、日本本土は沖縄同様植民地的な立ち位置にいることだけは間違いない。今の与党政権を維持していくには、内閣総辞職を断行し、自民からではなく公明党の山口氏に首相の座を禅譲するしか術はないだろうと考える。村山内閣と似た政権がいま必要な時かも知れない。イラク日報の隠蔽問題は自衛隊の一部に責任を負わそうという官邸の忖度的な企みも感じる。あまり官邸が防衛省を刺激し過ぎると再び226事件のようなものが起こらないとも限らない。石破氏は人望に問題があるし、進次郞氏はまだ若すぎる。さりとて野党ではとても乗り切れないだろう。要するに安倍氏ではもう限界だということだ。

 


<第十二章:その二>


 北朝鮮金正恩委員長と韓国の文大統領が板門店で南北の首脳会談を行った。2018年4月27日は歴史的な一日となった。朝鮮半島は1910年に日本による併合(植民地化)が行われ、1945年の日本の敗戦とともに、南北の分断が米国とソ連との間で遂行された。朝鮮戦争が勃発し休戦から70年余りが経過している。半島では社会主義と資本主義の国政が併行し、くっついては離れ、離れてはくっつくという両国の関係は熾烈さを増し、北朝鮮の核開発問題や拉致問題もあり、半島の統一など出来るわけがないと世界はみていた。ところが、平昌冬期五輪から流れががらっと変わってしまった。日本はあいも変わらず独自に金委員長との直談判と会談が出来ない。米国頼みの圧力外交で事を済まそうとする根性が気に入らない。安藤が血相を変えて近づいてきた。
「先輩、えらいこっちゃ。半島が統一されるんやなぁ」
「安藤、どこが、えらいこっちゃなんだ・・・・。そんなこたぁ、僕のしったこっちゃないよ。それは内政干渉・・・・」
「先輩は案外、冷たいんやな。それは、いくらなんでも、あまりにも、これではいくらなんでも。・・・」
「おいおい、国会の理財局長みたいこと言うんじゃないよ。まぁ、南北とも仲良くなれば良いことじゃんか・・・」
「それもそうなんけど、安倍ちゃんは何も出来ないし、直接交渉はしないんでっか?」
「出来ないだろうねぇ。旧日本軍による韓国併合が1910年から45年まで続き、おまけに分断だろ。ある意味、南北分断は日本にも責任もあるんだよ・・・」
「そないなことぐらい知ってまんがな。日本人の拉致被害者を返してくれと言わはっても、難しいやろな。水面下での交渉もないようだし。一番気になるのは、戦前、満州・半島の事実上の実権を握っていたのは安倍ちゃんの祖父だったということでっしゃろ・・・
「日本は戦前の朝鮮の人の強制労働や慰安婦問題も未来永劫引きずっていくんだろうね。だから、いい気になって欧米列強の真似をして植民地政策を行使した戦前の大政翼賛会にも大きな責任があるんだよ。中国大陸からみれば日本人は極東の辺境の部族という位置付けだからさ、アイデンティティをしっかり持たなきゃならんわけよ。だから、日本は彼らに対して誠意を持って謝罪をしつつ平和的な未来志向を共有していく必要がある。安倍ちゃんにはそれがないんだよ。戦争をしらないぼんぼん首相だからさ。外交交渉も金委員長と腹を割ってやればいいんだ。何を怖がってるんだろうね・・・」
金正恩氏の誠意ある笑顔は予想外だった。五輪会場での物まねの金さんと大してかわらないんとちゃいますか」
「トランプさんともこの調子で上手く行くと思うよ。もともと金正恩委員長は物騒な事が好きではない。妹さんに全て任せてるんじゃないのかな。朝鮮戦争での休戦協定では韓国は結んでいない。中国・米国・北朝鮮・韓国の4ヶ国での終戦と平和友好条約が年内に決まるとみているんだが・・・」
「ま、そのようでんな。つまり日本は蚊帳の外ってはなしだね。アベちゃんは強がりばかりいってますねんけど。ほんでもって、空転国会が長期化の日本はこのままでは解散総選挙は近いちゃいますか」
「安倍ちゃんは否定しているが、大叔父の佐藤栄作がやった『黒い霧解散』の関連本を読んでいるらしいよ。解散?もちろんそうなるだろうな・・・。そうでないと世論が許さない・・・。水面下でもし近々総選挙をやった時の議席予測もさせているらしい。米朝首脳会談関連でも安倍総理は出番はないから、その間の隙を突いて第二の黒い霧解散も視野にいれてると思うよ。金正恩委員長は三十そこそこ。同世代の進次郞くんなら彼と話しは合うだろうな・・・」
「そうでんな。あ、それと、TOKIOの山口君が不祥事で、2020東京五輪のフラッグツアー、アンバサダーにも影響を及ぼしてまんがな。都庁のみどりはんは大変やろな。PR役は変更のはなしもあるんやないか。損害賠償もあるし、ジャニーズさんはえらいこっちゃやな・・・」
船橋君の話だと、みどり君のいうには、小池知事はいまのところフラッグツアーのスペシャルアンバサダーのPRは山口なしの四人で継続ということだよ・・・」
「未成年への強制キスの代償は大変というこっちゃな・・・。中山先輩も女の子にもてるんやから、気ィつけなあかんよ。」

 永田町界隈でもセクハラ問題、知事レベルでは女性問題。日本人の道徳心が壊れかけている。こまったものだ。

 


<第十二章:その三>


 安倍氏の側近だった柳瀬氏の国会での参考人招致をみていたが、疑惑はさらに深まったとみるべきだろう。加計学園の国家戦略特区の扱い方と安倍氏との関与の問題は、今後の解散総選挙で勝っても負けても未来永劫疑惑への解明は続くだろうし、このまま長引けば、自由民主党の屋台骨が崩壊する事は十分予想できる。当然、そうなるだろう。加計学園は開校したこともあって、安倍氏は知らぬ存ぜぬでは済まされない。総理や議員を辞めても生きている限り、負のイメージは消えない。

 CIAが北朝鮮に送り込んだスパイ容疑のかかった三人が釈放された。詳細なことはわからないが、トランプ氏は中間選挙の前の評判稼ぎとも見て取れなくもない。これは米朝会談前の予定どおりのパフォーマンスとみるべきだ。そうだとすると、CIA長官がわざわざ二回も訪朝した理由も納得がいく。英語を話さない韓国系アメリカ人の三人はスパイなのかもどきなのかは不明だが、憶測ではそう思わざるを得ない。当事国同士のトップの直接交渉の重要性をあらためて感じたが、日本はどうだろう。安倍氏拉致問題の司令塔だというが、北との直接交渉は難しく、期待している面々も多いだろうが、日本人拉致被害者は切り捨てられていく公算が大きい。六兆円もの大金を北朝鮮に無償提供するという憶測も流れている。そうなったら、安倍政権はもちろん世界や国内世論から袋抱きに合うだろう。日本には新たなリーダーの下で、金正恩氏と直接交渉のカードを切れる大物が必要だ。金正恩氏が先の南北首脳会談で、「何故日本は拉致問題について直接言ってこないのだろうか」、という問いかけが文大統領にあったという。拉致問題金正恩氏の政権時代ではなく先代、先々代の出来事であるので、問題解決を模索していたことが伺える。これまで日本のメディアや政府は余りにも、正恩氏に対する先入観で物事を判断する習性があったことは否定できない。これは言ってはいけないことだが、ある意味、朝鮮戦争景気のおかげで日本は戦後の経済復興を遂げた一面はあるだろう。彼らの自虐性と粘着性は時代を重ねて積み上げられたものだろうし、中国や周辺諸国からの侵略に耐えてきた歴史の積み重ねもある。だから安倍氏は司令塔と自負するなら、拉致問題では当然、金正恩氏と直談判を行うべきなのだ。国と国とのトップの外交力と柔軟性、駆け引きは、褒めるわけではないが、金正恩氏が安倍氏より一枚も二枚も上とみるべきだろう。米朝首脳会談が上手くいかなくても、中国の後ろ盾があれば動じる必要はなくなる。トランプ氏がイランの核合意を離脱をしてもなんら心配することはない。歴史の潮流ではそう捉えるべきだ「はい、