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1587<道満丸景虎と小姓の戯言>(天正戦国小姓の令和見聞録)HB

人類の歴史を戦国の小姓の視点で深く追究していきます。

「タックスヘイブンと高額報酬プロスポーツ選手の胸算用」

<道満丸景虎と小姓の戯言0229>episode229,season3

天正戦国小姓の令和見聞録) 

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春日山城、鳴海幕府(開府1587年)

お屋形様:上杉道満丸景虎

見聞録及び戯言検め:小姓 仁科源太

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天正四百五十二年 五月九日

 

タックスヘイブンと高額報酬プロスポーツ選手の胸算用」

 

 MLBの大谷選手はおよそ一千億円もの報酬額をドジャース球団と結んでおるようじゃ。それも殆どの金子を十年後から受け取ると聞き及んでおる。裏技には上には上があるものよ。拙者の勝手な見立てじゃが、まるで水原通訳の窃盗を見越しての対応のようにも見えるが、カリフォルニア州での節税対策とも見てとれる。大谷殿は金子の管理はしっかりとしており、実家との連携で会社組織を立ち上げておると軒猿から報告が入っておる。亜米利加のタックスヘイブンのオアシスであるデラウェア州で本社を構え、日本の実家や亜米利加の各地に支社を置いておるようじゃが、その裏には代理人の景がチラついておる。水原通訳の窃盗賭博事件では大谷殿のマネジメント事務所が機能しておらなかったのが遠因でござるが、いくら金子に無頓着(実際は几帳面かと思うが)な大谷殿としたとしても、数十億円もの金子の動きを知らなかったとは今でも到底思えぬのでござる。大谷殿はハシゴを外されぬよう御前とよく意思疎通を交わされよ。理由はどうであれ、確かに仲間が苦しんでいるのに手を差し延べないのは武士道に反するものでござる。水原殿が前言を撤回した背景には大谷殿の弁護陣の思惑とMLB規約に抵触する恐れがあったからなのか、あるいはギャンブル依存症による自立失調症と虚言癖があったのか拙者には分からぬ。大谷殿は水原通訳が何処からの借金かは存じておらなかったのは信じておるが、第三者から見ればインタビューを鵜呑みにすれば、大谷殿は幇助的な立ち位置になるため、MLB側から何らかのペナルティがあった可能性がござる。

水原通訳と掛屋の胴元との通話記録で、Cover job(肩代わり)・Technically(厳密に言うと)という言葉がいまでも一人歩きしておる。前言を撤回した日に大谷殿と代理人、広報、水原殿が話をしたというが、水原通訳が肩代わりをしたことにしてくれないかと嘆願したようで大谷殿はきっぱり否定しておる。大谷ファンには水を差すようで恐縮ではござるが、「やっぱり肩代わりをしたことにしてくれないか」と話し合ったのかも知れぬ。水原殿が前言を撤回していなかった場合はどうなっておったであろうか。MLB側では厳しい沙汰を下すかもしれないが、大谷殿の武士の情けという行為は称賛されたことであろう。そういうシミュレーションがあるとしても、大谷殿の評価は下がるはずもなく、むしろ亜米利加や世界中で武士道の精神が理解され輝きに満ちていたはずでござる。結局今の段階では、水原通訳の一方的な窃盗事件として捜査は進んでおる。大谷殿は金子には無頓着なはずはござらぬ。フィールド外では立派なビジネスマンと化しておる。愛犬の名前をもじって代理人の仲介で会社組織にして、不動産・イベント・興行・球団経営など多方面での活動をしようとしておる。デラウェア州では人口が九十万人ほどではあるが、ペーパーカンパニーは百万社近くあるそうじゃ。それにしても、水原殿は金子に余裕があるのでござろうか。高額な弁護士を雇い、司法取引で返せないほどの大谷殿への高額の賠償金を払える算段があるらしい。つまり、減刑処分を狙っておるようじゃが、賭けで儲けた金子は自分の口座に隠し持っておるのじゃろうか。貧乏人の小姓の浅はかな見立てではうかがい知れぬ。

 窃盗詐欺の話にはいい加減飽き飽きしておる。拙者も人の裏表を勘ぐる癖が直らぬらしい。軒猿たちもご苦労でござる。早く戦国の世に戻りたいであろう。拙者も戻りたい。お屋形様もそうじゃろう。令和の時代にはもう付き合いきれぬ。

 さて、イチロー殿のMLB野球殿堂入りが二〇二五年に決まるじゃろうが、そしてあと二十年後に二人目の日本人の殿堂入りがあるやもしれぬ。拙者はかつてイチローファンでござった。MLBデビュー時から十年連続200本以上安打、十年連続ゴールデングローブ賞、十年連続オールスター選出、MLB通算打率0.311、MLB通算三千八十九安打(日米通算四千二百五十七安打)、年間最多安打262本などの輝かしい成績には目を見張るものがある。二刀流も良いが、野手と打者、投手の三刀流はMLBでは誰も果たしたことがござらぬ。フィールド外の事に拙者は興味がござらぬ。大谷殿は本業に専念し一心不乱で事に当たるべし。今後十年で殿堂入りするのであれば、十年連続MVP、十年連続オールスター選出、十年連続ホームラン王、十年連続打率三割、十年連続二刀流か三刀流、十年連続盗塁王、などイチロー殿ほどの目立った実績が欲しいところじゃが果たして・・・。シーズン後半での体力後退、三振が多い、右肘の具合、メンタル面での対応が目下の課題も乗り越えねばならぬ。MLBにもう少し申し伝えたいことがござる。野球人気が下降気味でござれば、本来の走攻守の基本に立ち返ってDH制は辞めにして、観客が選手と一体化した球場の再興を図るべきでござる。打者と内外野の守備は一体化してこそ野球の魅力は生まれる。打者だけのシーンではファンから飽きられることは必定でござるからじゃ。イチローのレーザービームとファインプレイ、打者のリーディング争い、盗塁王など、多くの見せ場を演じなければファンは納得しないのでござる。野球は結果がすべてでござるが過程も大事でござる。大谷殿は外野守備や一塁守備なら出来るじゃろう。さすればDHでなくても無理なく演出できそうなものでござる。一千億円は走攻守(投)のバランスでの価値でござろう。ファンの目は厳しい。あと十年の活躍がどのようなシーンになるか楽しみでござる。ダークホースは、それほど期待されておらなかったカブスの今永殿でござる。大卒からのMLB入りは不利かもしれぬが、彼の遠くの一点を見据えた眼光がひときわ目立っておる。かのイチロー殿を思い出した。今後の行く末を見守りたいものじゃ。

 水原殿の窃盗詐欺事件をドラマ化すると報道されておるようじゃが、これはハリウッドとしては勇み足となろう。まだ公判が始まっておらぬのに(五月十一日現在)事実に基づいた脚本で映像化するのには高いハードルが控えておるはずじゃ。第一、大谷殿の精神的ダメージが強く(本人は平然を装ってはいるが)、しばらくはそっとして欲しいと内心思っているはずでござる。被害者として承認されるかは未知数でござるが、やるのであれば、公にはせずともフィクションとして社会性の高い作品にして貰いたい。ドキュメンタリーライクな映画は事件の過程を誰もが存じておるのでやる意味がござらぬ。アカデミー賞のオスカー像を手にしておる監督といえども軽はずみにエンターテインメントで事を起こそうなどとは考えてはならぬ。

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