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仁科広嗣の「新歴史の研究」 ●THE NEW HISTORY EYES●

「THE NEW HISTORY EYES」は人類の歴史を360℃視点で深く追究していきます。    <潮流戯画手帖>

THE NEW HISTORY EYES...Vol.0020

THE NEW HISTORY EYES

Presented by hirotsugu nishina

 

Vol.0020…「二年後の角界の勢力図」

 

 2020年11月場所が千秋楽を迎え大関貴景勝が二年ぶりの優勝を飾った。大相撲には新たなヒーローが出始めている。平成時代はモンゴル出身の活躍が顕著だった。白鵬鶴竜朝青龍日馬富士などの横綱角界の看板になり、日本人力士は脇役に甘んじてきたが、このところ期待される力士が目立つ様になってきた。一度は幕内の上位にいながら怪我で幕下以下まで番付を下げ、努力して再び這い上がって戻ってきた力士も数多くいる。勝負の厳しさで地獄を見てきた照ノ富士、竜電、千代の国には尊敬に値する。大鵬の孫にあたる納谷は11月場所では幕下筆頭で6勝1敗なので初場所では新十両で待望の関取になる。朝青龍の甥に当たる豊昇龍は下位番付で7勝8敗の負け越しなので、次の場所では幕内に残れるかは微妙だ。この両者は近い将来綱を張っているかも知れない。貴景勝は本割で照ノ富士に負け、決定戦で賞杯を物にしたが、来場場所は横綱大関陣を蹴散らす良い内容で優勝できたらという条件で、横綱に推挙される可能性はある。しかし体が小さく押し相撲一途なので、意識しすぎて初日から負けがこむと難しい。あと一年は様子を見たほうがいいかもしれない。照ノ富士は優勝または準優勝で大関の地位に戻れる。白鵬鶴竜はいつ引退するか分からないが来年が潮時だろう。横綱になれる期待が大きい朝乃山はこのところ伸び悩んでいるし、正代の今後には期待は出来るがまだ荒削りで横綱大関陣がフルに揃った時での活躍は未知数だ。両大関とも来場所はカド番で一番一番必死に攻めてくる。来場所は貴景勝にとっては試練の場所となる。御嶽海は体に恵まれた実力者だが、それに頼りすぎてメンタルで少しは弱いところがある。欲を出して本気になれば横綱も夢ではないのだが、再起に期待する。

 身長191センチ、体重150キロ台という琴勝峰が赤丸急上昇という評判だ。個人的には大物感があって頼もしく感じる。まだ21歳なので和製白鵬という道を歩むかも知れない。若貴景は体が小さいのだが地力があり大きな相手でも真っ向勝負という根性が素晴らしい。今後は琴勝峰とともに上に行ける器と見ている。琴ノ若は豊昇龍とともに期待がかかっている。幕内最軽量の炎鵬は今回2勝13敗といいところが無かったが、初場所では盛り返すだろう。高校生の時、地方巡業での稽古の合閒に大鵬関と握手する機会があった。相撲取りの手は大きくて温かい。大相撲はコロナ禍のなかでもたくましく伝統を守り続けている。日本人に生まれて良かったなぁとつくづく思う。

 勝負という点では相撲も大統領選挙でも事の本質は変わらない。米国の大統領選挙ではジョー・バイデン氏が選挙のルールに基づきドナルド・トランプ氏に勝利したが、負けた側は潔くこの結果を認めるべきだ。負けた側がいつまでも状況を認めないと、優先事項であるコロナ禍の対処が滞り、政権移行がスムーズに行われないのは米国民にとっては存亡の危機だ。敗軍の将は兵を語らず。この点については中国のことわざや日本のサムライ精神を見習ってほしい。城主は負けを認めたら、家臣や領民の事を優先させて自らは退くか、切腹という崇高な決断をするのが武士道や騎士道というものだ。ドナルド・トランプ氏にはそういう基本的な覚悟を持ち合わせていなかったように思う。誠に残念だ。戦いに負けても選挙人への奇策を用いて、その地位にこだわるのなら米国大統領史上あるいは人類史上には大きな汚点と記されるに違いない。そしてU.S.A.という国は未来永劫世界からはそっぽを向かれる。ドナルド・トランプ氏が2024年に再出馬するとしても、民主的なルールを守る意志や常識がないのなら、いくら妄信的なトランプ信者や熱狂的な共和党支持者でもおそらく彼への一票を手控えることだろう。それが世界から尊敬される古き良き伝統を大切にする米国民のあり方だと思う。