<戦国小姓の令和見聞録0002>
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尾屋形様:上杉道満丸景虎
見聞録検め:小姓
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◆天正四百五十一年 一月二十四日
令和幕府には第三者からの独立財政推計機関が未だに無いと軒猿から聞いておるが、亜米利加、加奈田、英国、独逸、伊太利亜、仏蘭西、日の本の爺セブン諸国のなかで、唯一我が国だけがその機関を用いておらぬのには納得がゆかぬと尾屋形様は申しておる。領民の懐は細るばかりで大きな商人ばかりを優先させ、幕府がその責任を取ろうとしないのには尾屋形様もお怒りじゃ。一般会計と特別会計の総合的な予算審議も戦後まともにしておらぬからじゃ。かわら版も一般会計のみの公示のみで、ご用役人の金子の隠し蔵ともいえる特別会計には一切語ろうともせぬ。領民も腹を据えかねておるし、尾屋形様は怒り心頭のあまり、自暴自棄になり毎晩晩酌のやり過ぎで小姓たちからも顰蹙を買っておいでじゃが、それも致し方ござらぬて。日の本の各諸侯の領地で盗難や殺傷・火付けなどが相次いでおるが、これはひとえに政が不条理に行われているからなのじゃ。
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