<天正戦国小姓の令和見聞録0120>
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お屋形様:上杉道満丸景虎
見聞録検め:小姓
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◆天正四百五十一年 十月十六日
「人間の運命、無くなることはない戦の本能と煩悩」
半世紀ぐらい前に「2001年宇宙の旅」という映画がござったが、冒頭で猿人が何かのきっかけで知を得て防衛本能と闘争本能を身につけてしまう場面を思い出す諸将も多かろう。拙者は毘沙門天の化身のお屋形様にお仕えしておるので、伴天連の神や教えの事は良くは分からぬ。救世主が精霊により聖母の体から生まれるというのは、医学的に考えるのはどだい無理な話なのじゃが、その話を鵜呑みにして信じようとする試みは敢えて咎めはせぬが、その信者同士の争いが中東での数千年にもおよび、今では頂点に達しておる。信者の末裔同士が仲良くなろうとしても無理でござる。2001年の911のあとブッシュ・ジュニアが「十字軍の戦い発言」の演説で1000年も続いているキリスト教圏とイスラム圏との争いが、21世紀でも継続していることを意味づけておる。誠に由々しきことじゃ。国連がパレスチナの地でユダヤとイスラムが共にそれぞれの国を治めるという提示にもかかわらず、ユダヤ側が一方的にその地を有利的に占拠し、勝手に入植を推し進めてしまったことは存じておろう。ナチ政権とのハーバラ協定による入植推進の前からユダヤの民は押し入っているという話でござる。イスラエルのユダヤの民がイスラムの民を大虐殺の行為を強行するならば、ナチ政権の大虐殺の再現ともなりかねぬ。戦国の世の者からしてもその様な光景は見たくもない。ここで言っても始まらぬが、人間の殺戮本能は戦国の世と変わらぬもの故、何らかの手打ちは必要でござる。
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