<道満丸景虎と小姓の戯言0209>episode209,season3
(天正戦国小姓の令和見聞録)
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お屋形様:上杉道満丸景虎
見聞録及び戯言検め:小姓 仁科源太
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◆天正四百五十二年 弥生月二十三日
「大谷選手&水原一平殿のMLB永久追放騒動の序曲」
其方達は一九八九年のピート・ローズ殿の賭博によるMLB永久追放騒動のことは知らぬと存ずるが、拙者とて歴史書を見ぬとさっぱり分からぬわい。水原通訳殿が大谷殿に相談して違法賭博の借金精算のため胴元に送金してもらったようじゃが、メディアが発信する前にドジャースの大谷側の弁護士が窃盗として告発をした。その後水原通訳殿は前言を撤回し、大谷殿に関与が及ばないよう誰からかに指示され、送金もしていないという訳の分からぬ狼狽ぶりでござる。では送金した当事者は一体誰でござろうかという事になる。MLBでは威信をかけて捜査を徹底的に行うものと存ずるが、大谷殿の身の潔白を証明する物が水原殿の撤回後の文言だけとなると、送金した事を覆すアリバイを探すのは難しい。それ故、多くのファンのためにも大谷殿は事の終始の真実を述べる義務が生じるわけでござる。このままではシーズンプレイどころではなくなるからでござる。身の潔白を示さなければ大谷殿にはMLBからのお咎めがあるやもしれぬ。ドジャース側から見れば大谷殿には巨額の投資をしたばかりで、お家の事情で箝口令を敷かざるを得ないのではないかと存ずる。気になるのは水原通訳殿の一夜明けての文言撤回でござる。これには色々なことが考えられるが、おそらく撤回前の文言が正しいのでござろう。発言というものは撤回を表明すれば良いとは限らぬのじゃ。今後、亜米利加のメディアやファンからの疑義がさらに広まることでござろう。撤回の書状も口頭での意思表示も終えてしまえばことが済む問題ではござらぬ。何事も言ってしまったら百年目と心得よ。おそらく大谷殿にとっては真に晴天のへきれきでござろうが、永年苦楽をともにしてきた水原通訳殿に関しては深い絆はあったはずでござる。友への「借財の肩入れ」は一般的には問題はござらぬが、借財をして者が違法なことに手を染めておることを認識して助けたとなると事はやっかいになるゆえ、MLBファンには気になる所でもある。私的に合点がいかぬのは、大谷殿が真美子姫を正室に迎えるにあたり、自身の家計と資産の再確認は致されておるのだろうかとか、家計管理・通訳・マネージャー・トレーニング同行・私生活の世話まで水原殿に一任しておったのだろうかとか、大谷殿が水原殿の借財の理由をどのくらい把握しておったのかとか、セキュリティ管理の厳しい亜米利加での巨額の送金の記録などは残っておるのだろうかとか、一般領民にとっては納得のいく説明が成されておらぬことじゃ。白黒をはっきりつけたがるアングロサクソン文化は徹底的に議論を尽くす傾向にある。ピート・ローズ殿は賭博容疑でMLB界からは未だ永久追放の身でござれば、MLB通算安打4256本、通算打率0.303の記録を残しても殿堂入りの資格はござらぬ。イチロー殿は日米通算4257本超えの記録を残しておるが、MLB側は日米合算記録を認めてはおらぬ。しかしでござる。通算打率0.311、十年連続200本以上安打(ピート・ローズ殿は二十四年間で十回の200本以上でござるが、連続では記録が残っておらぬ)、年間最多安打262本は特筆すべきことでござれば、2025年では殿堂入りの資格を得る。誠にもって楽しみでござる。スポーツ選手は結果が全てでござるが、不祥事は絶対避けねばならぬ。選手は皆、脇を固めて人間不信と信頼のバランスをどう上手く切り盛りしてしくかの能力も今後必要になるじゃろう。それ故、ここは大谷殿から身の潔白を証明する義務が生じる訳でござる。理由はどうあれ、大谷殿の口座から巨額の送金が違法賭博の胴元に送金されていたという事実は、歴史に残る第二のピート・ローズ事件になる可能性に繋がる故、事の解明はうやむやにはできぬはずじゃ。ファンにとっては大谷殿の精神的な負担でプレーに集中出来なくなるのが心配にはなるが、今は事態を静観するしか手立てはござらぬ。
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